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【山田ルイ53世のお悩み相談】引きこもりだった過去のせいで若く見られるのではと不安です。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は見た目と実年齢のギャップに悩む女性からの相談です。

撮影・中島慶子

<お悩み>
凄く若く見られる事が悩みです。
初対面の方には20歳そこそこの大学生に思われていて、年齢を言うと驚かれる(引かれ気味)ので、年齢を言うのが恥ずかしいです。
私は見た目が小柄で華奢というのもコンプレックスなのですが、中学、高校と7年間不登校引きこもりをしていた経験もあるので、実年齢に精神面が追いついていないのだと不安になります。
周囲からはどうでも良い悩みだとよく言われます。
どうしたら、この劣等感から抜け出せますか?
(ぽろぽろ/女性/31歳、パート主婦。子どもはいません)

山田ルイ53世さんの回答

これはよく分かります。
筆者は中学2年生から6年間引きこもっていました。
あくまで"自分は"ということですが、あの時間は無駄だった、学校に通って友達と遊んだり、勉強や部活に励んだりした方が充実していたのになと後悔しています。
同世代の人間と比べて6年分の経験値を貯め損ねたコンプレックスは厄介ですが、とは言え、特に不便もありません。
RPGゲームで言えば、開けていない宝箱、話しかけていない村人など取りこぼしはあるけれども、一応ゲーム進行には差し支えない……そんなところです。

引きこもっていた期間を、実年齢から引いてみるのはどうでしょう。
筆者は現在44歳。
なので、6つサバを読んで38歳だと思って生活しています。
もしぽろぽろさんが、「あの7年は無駄だったな……」、「実年齢に精神年齢が追い付いていないのかな……」と苛まれているのであれば、その年月をわざわざカウントする必要など無い。
「私は24歳だ!」
と思い込む、そう決めてしまうのです。
「自分に嘘は付けない!」などと言う方もいますが、大丈夫……自分のことは結構簡単に騙せます。

劣等感にせよ優越感にせよ、ベクトルが違うだけで根っこは同じ。
誰かと比べることから生まれる感情です。
そして、「人の目ばかり気にして生きる」というのは、「スマホをいじりながら車を運転する」ようなもので非常に危険です。
そんなリスキーな行為を器用にこなすには、かなりの才能、能力が必要。
しんどい、辛いということは、そういう力が相談者には無いということに他なりません。
自分には無理だと諦めて、とっとと我がことだけに集中しましょう。
結局、それが一番、人生のコストパフォーマンスが良くなる方法だと思います。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
⇒ 公式ブログ

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