菓子研究家・福田里香さんが提案、フレッシュな果物、素朴な甘さ、手づくりの味わいが奥深い台湾スイーツ。
撮影・青木和義 コーディネート・青木由香
台湾ではまず、亜熱帯ならではのフルーツを楽しみたいと福田里香さん。
「市場からカフェまで、新鮮な果物を食べられる場所が豊富。一方で、どんなに人気の果物も旬の時季にしか出回らないので、シーズンにあたったときの味は格別です。おみやげには種類豊富なドライフルーツも欠かせません」
豆花(トウファ)やかき氷などポピュラーな台湾の甘味も、ぜひ旬の果物を絡めて味わってみてほしいと福田さん。また、“お茶すること”を目的に旅ができるのは台湾独特の魅力、とも。
「台湾茶と伝統的な焼き菓子なども、外せません。こんなふうに“フルーツ&スイーツ”をメインに旅できる、そんなところも定期的に“台湾人気”が盛り上がる理由かもしれませんね」
【忠孝敦化駅】陳記百果園(チェンジィバイグォーユェン)
一度は訪ねたい、上質な果物が揃う専門店。
「30年にわたって高品質の果物を扱う専門店で、現地の人がお使い物にするような美しい果物が並びます。それを見るだけでも楽しい」
『新宿高野』での勤務経験がある福田さんらしい理由だ。
「朝7時オープンなので、朝食としてカットフルーツを食べてもいいですね。パフェやかき氷はかなりのボリュームですが、材料である果物自体の味に間違いがないので、食べ飽きることがありません」
色鮮やかなジェラートにも注目。旬の果物を使ったフレーバーが並び、次回の訪問時にあるかはわからない。後悔なきように注文を。
【大安駅】小涼院霜淇淋 (シアオリアンユエンシュアンチーリン)
フレッシュな感性で作る、1日1種類の味と出合う。
4年前の開店以来、地元でも人気のソフトクリーム専門店は、フレーバーが1日1種類という潔さ。生クリームは使わず、後味がさっぱりとした柔らかいミルクジェラートのような食感が特徴だ。その軽やかな口当たりは、生の果物や香り高いお茶など、合わせる食材の持ち味を存分に活かす。
「地産の食材への思い、聞いただけで想像が膨らむフレーバーの組み合わせなど、若い店主の個性が随所に詰まっています。それでいて、お店の雰囲気も含め、すべてがさらりと心地いい仕上がりなのもいいですね」
【大安駅】山水伯豆花 (シャンスイボードウファ)
レモンが引き立てる、豆花の香りを味わう。
台湾スイーツの筆頭ともいえる豆花。ここでも福田さんはフルーツとともに味わうことを提案。
「台湾のレモンは苦みのある濃い味で、独特の魅力があります。そのレモンをたっぷり使ったシロップで食べるシンプルな豆花は、暑気払いにうってつけ」
この店はもともと台南発祥。台北と台南では豆花そのものの味にも差がある。
「この店の豆花はフワフワではなくプルンとしていて、豆の味、食感ともに存在感があるタイプ。しっかり甘くてほろ苦いレモンシロップとの相性もぴったりです」
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