くらし

福田里香さんに教わる、ふとした時間でさっと作れるジャムのレシピ。

日々の隙間に少しだけできた、自分だけの時間。ゆったりと心が満たされるような使い方を考えてみました。
  • 撮影・馬場わかな 文・松本昇子

ひと瓶のジャムをさっと炊く。

ジャム作りというと、鍋でじっくりコトコトというイメージだが「ひと瓶ほどの量なら、30分あれば作れます」と、ジャムの人気著書もある福田里香さん。今回は果物の水分を効率よく出すコツや、ワインで水分を補って、短時間で本格的なジャムを作る手法を教えてくれた。

「今回は赤ワインを使いました。ルビーのようになんとも美しい色に仕上がるのも魅力ですし、味わいに奥行きが出て、お酒にも合う味になります。白ワインだとすっきりした酸味が加わるので、好みで選んでみてください」

作る過程で出る煮汁のアクを、フレッシュなデザートとして味わうのも新鮮な試み。鍋の中の変化自体を楽しむことで、短い時間でもぐっと豊かになりそうだ。

*直径18~20cm程度のステンレスやホウロウ、銅鍋を使用。アルミ鍋は酸で溶けるので避ける。

【 材料/約350ml分】
いちご300g
砂糖150g
赤ワイン50ml
レモン1/8個

トライ!

(1)いちごを軽く洗い、水けを拭き取る。へたを取って縦半分に切る。いちごに断面ができることで果汁が早く出る効果がある。大粒のいちごなら縦4つに切る。

(2)ボウルに1と砂糖、レモン果汁を入れ、レモンの果肉も指でしごいて加える。ゴムべらで底から大きくすくい上げるように3分混ぜる。これが早く水分を出すコツ。

(3)鍋に2を移し、ワインを注ぐ。軽く混ぜて水分で砂糖を溶かしてから、強火にかける。

(4)ゴムべらで混ぜながら加熱し、沸騰してアクが浮いてきたら、スプーンですくって茶こしに移して取り除く。アクは捨てずにとっておく。

(5)強めの中火にして、焦げつかないようにゴムべらで鍋底からゆっくり大きく混ぜていく。一度いちごから色が抜けるが、さらに15分を目安に煮詰めていく。

(6)煮汁にとろみがつき、いちごに艶が出て色が戻り、透き通ったら完成。冷えると熱いときよりもう一段階とろみがつくので、少しゆるい状態で火からおろす。

(7)ジャムが熱いうちに清潔な瓶に詰める。冷蔵庫で保存し、2週間程度で食べ切る。

\ヨーグルトや 牛乳に混ぜて。/

茶こしに溜めたアクはふわふわで、おいしい天然ムース。この味はジャムを手作りした人だけの特権!

福田里香

福田里香 さん (ふくだ・りか)

菓子研究家

著書に『民芸お菓子』『いちじく好きのためのレシピ』等がある。『季節の果物でジャムを炊く』はロングセラー。本誌で「彼女のお気にいり」も好評連載中。

『クロワッサン』1043号より

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