値動きに心が乱されないですむ、少額からスタートできる。
〈つみたてNISA〉をスタートさせるためには、銀行や証券会社に専用の口座を開設する必要がある。開設できるのは、年にひとり1口座。いつでも引き出せるのも特徴となっている。金融機関によって取り扱っている商品の種類や数が異なるので、まずは買いたい商品がある金融機関をリサーチ。メガバンクや店舗のある証券会社では、商品を数本から十数本に絞っているケースが多い。対してネットバンクやネット証券は多数の商品を扱う傾向にある。
「投資先のジャンルは、国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券の6つに分けられます(下図参照)。この中で何が組み合わされて詰め合わせになっているかを見て選びます。何を選んだらいいかわからないという人は、まずは6ジャンル全部をまんべんなく組み合わせたバランス型からスタートするのが無難でしょう」
風呂内さんのビギナーへのおすすめは、国内株式銘柄3と先進国銘柄1の配分。銘柄だけでなく、地域もばらして購入することで、国内の景気だけに左右されることがないという点も、リスク軽減につながる。積立金額や商品はいつでも変更できるので、無難なものから始めて投資に対する感覚を掴んでいくといいという。
「金融機関によって異なりますが、100円から始められる口座もあります。最初は少額から始めて、慣れてきたら金額を増やすこともできます。積立は毎日、毎月、年2回などから選べるところが多いですね。毎営業日に100円積み立てたら年に約2万5000円、20年続けたら50万円に。自動積立だから、手間も時間もかからずほったらかしにしておいてもお金がお金を作ってくれるわけです。貯蓄額の10%くらいを投資に回すなら、初めてでも挑戦しやすいと思いますが、その金額も自分で決められるし、額が刻めることで心理的負担が少なくてすみます」
投資なので、もちろん増える時も減る時もある。減った時に慌てて売らずに待つ余裕を持てる金額でできるのが〈つみたてNISA〉だと風呂内さん。毎月分配金を受け取るタイプの投資とは異なり、運用で得られた利益をそのまま運用に回せるので、利益が増幅していく〈複利効果〉も期待できる。
大きな勝負に出てハラハラする運用ではなく、時間をかけてじっくりと資産を増やしていきたい人や、常に相場のことなど考えていられないという人には最適な投資だといえる。