くらし

始めない人は、ソンをする!? 新NISAで、老後に備える。

来年、新しくなるNISAは投資できる金額も使いやすさもUP!
投資初心者が始めるには絶好の機会です。
  • イラストレーション・前田はんきち 文・黒澤 彩

50代はラストチャンス! 将来の自分へ仕送りを。

「一生モノのお財布になりますよ。」

2024年1月から、NISA(少額投資非課税制度)が新しくなる。

「まだ投資をしたことがない人も、これを活用しない手はありません」
とは、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さん。

おさらいすると、NISAとは、通常なら利益に対して20.315%の税金がかかるところを非課税にしてくれる投資制度。新NISAでは、投資できる金額が大幅に増え、無期限で運用でき、いくらか引き出して枠が空けば再投資もできるようになる。非課税枠の大盤振る舞いだ。

「1年に360万円、総額で1800万円まで投資できます。かなりの金額ですが、これには、50代前後の人が今から投資で資産形成するためのキャッチアップという意味合いもあります」

30年かけて積み立てる時間はなくても、ある程度の貯蓄をすでに持っているのが50代。どこかに眠らせているお金を徐々にNISA口座に移すこともできるだろう。

ただし、投資に回すのは5〜10年以上先まで使わないお金であること、一度に多額を動かさないことは鉄則。初めて投資をするなら、少額を積み立てるところから練習しよう。

「今後、物価の上昇に対して年金は思うように増えていかないことが予想されます。そんな中で、貯蓄の一部を投資に振り向けておくことは、長い目で見れば人生の保険になります。将来の自分への仕送りとして投資デビューするのに、50代はラストチャンス。苦手意識を克服しましょう!」

\新NISAのここがすごい!/

●いいとこどり、かつシンプルになった!
今までは「(一般)NISA」と「つみたてNISA」のどちらかを選ぶ必要があったが、新NISAでは一本化。初心者は成長投資枠を気にせずつみたて投資枠だけでもOK。

●上限額は1800万円。もはや少額ではない!
「少額投資非課税制度」としてスタートしたNISAだが、限度額が大幅にUP。誰にとっても充分と言える非課税枠に。もちろん、1800万円の枠をすべて使わなくてもいい。

●非課税で無期限の運用が可能!
一般NISAが5年、つみたてNISAが20年と期間が決められていたのが、無期限に。いつでも引き出すことができ、枠が空いた分は再投資もできるので一生使える口座に。

これだけ知っておけばOK!つみたて投資の基礎用語。

【投資信託】
運用会社が投資家から集めたお金をまとめて、株式、債券などに分散投資し、その成果を投資家に分配する商品。「自分でたくさんの企業の株を買うのは大変ですが、投資信託なら世界中のトップ企業の株や債券、不動産などを少しずつ持てることになります」(山中さん)

【信託報酬】
投資信託の運用・管理にかかる費用。最近は0.1〜0.2%と低コストの商品も増えている。「その商品を保有している期間中、毎日差し引かれ続けるコストなので、投資信託を選ぶときの重要な目安になります」。わかりやすく「管理費用」などと記載されていることも。

【複利】
投資などの収益や利息を元本にプラスして再び投資することで、利息が利息を生み、雪だるま式に増えることを複利効果という。対して元本のみに利息がつくのは「単利」。「投資信託などは長く運用するほど複利の効果が大きくなり、効率的に資産を増やすことができます」

【リスク】
リターン(収益)の振れ幅のこと。振れ幅が小さいことを低リスク、大きいことを高リスクという。低リスク高リターンの商品は存在しない。「金融用語のリスクは危険性ではなくて不確実性。もし確実に墜落する飛行機があったとしたら、それはリスク0という考え方です」

「初心者はインデックスファンド一択!」

【インデックスファンド】
日経平均株価、S&P500(米国)など市場の動きを示す指数に連動するように運用される投資信託。パッシブファンドと呼ばれることもある。「日本、米国などにかぎらず、全世界に分散投資するインデックスファンドもあります。信託報酬が低いのも特徴です」

指数(日経平均株価など)に連動して投資信託の基準価額も上下するイメージ。運用のコストが安い。

【アクティブファンド】
運用会社が独自の判断に基づき、市場の指数を上回る運用を目指す投資信託。「ファンドマネージャーがそれぞれに方針、思想を持って運用する商品で、信託報酬は高め。どんなファンドなのかをよく知ったうえで選ぶ必要があるので、どちらかというと上級者向けです」

指数を上回る成果を目指して独自の運用をするので、値動きが大きくなる傾向に。運用のコストは高い。
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