くらし

「ビジンサマレシピ」で作る、長いもと豆腐の茶碗蒸し。

信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山に住んでいると伝えられているビジンサマという神様。そのお膝元である信州から、体に優しい食材を使い、卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を、地産地消料理研究家の中村恭子さんに紹介してもらいます。
  • レシピ提供:中村恭子

長芋は山芋の一種です。
すりおろしてとろろにすると、自然薯よりもキメが粗く水分が多くさらさらとした食感です。
信州では山形村の長芋が有名で、村ではあちらこちらに長芋の畑が広がっています。長芋農家さんの多くは2年以上の連作はせず、ごぼうやネギと交互に栽培するのだそうです。長い、土ものを栽培するには土壌が柔らかく良質であることが条件になりますが、山形村はそれに適した場所なのだとか。晩秋の収穫シーズンに伺ったときには長芋の他にりんごも実っていました。
長芋を含む山芋は滋養強壮作用が有名で、下半身を温める効能があるといわれており冷え性の方におすすめの食材です。また足腰の弱りに効く漢方薬にも用いられています。

長いもと豆腐の茶碗蒸し

今回は長芋と豆腐を組み合わせ、卵を使わない茶碗蒸しのレシピをご紹介します。
干し椎茸の出汁と塩麹が奥深い味わいに仕上げてくれる、いわば名脇役のような存在です。
まずはレシピ通りに作ってみてください。お好みで出汁や味付けをアレンジしてお楽しみください。

【材料】

茶碗蒸し:
豆腐 200g
長芋 100g
葛粉(固まりがあればすりつぶすかミルミキサーなどでパウダー状にしておく)小さじ4 
塩麹 大さじ2
干し椎茸の戻し汁 大さじ1
太白ごま油 大さじ1
具材:
干し椎茸 1枚(100ccの水で戻して薄くスライスしておく)
しめじ 適量(小房に分けておく)
ネギ 1/2本くらい(うすぎりに)
とろみ餡:
干し椎茸の戻し汁の残り 
自然塩 少々
醤油 小さじ1
みりん 小さじ1
葛粉 小さじ1/2

【作り方】

1.長芋は皮を向き薄くスライスして蒸し器で蒸しておく。
2. ミキサーに豆腐と、1の長芋と他、茶碗蒸しの材料を全て入れて撹拌して生地をつくる。
3. 器に具材を均等に分け入れる。
4. 3に茶碗蒸しの生地を分け入れて蓋(またはアルミホイル)をして蒸気のあがった蒸し器に入れて弱火で15分から20分蒸す。 蒸している間にとろみ餡の材料を全て鍋に入れて、葛粉が完全に溶けたら火にかけ、とろみ餡をつくる。
5.蒸し上がり。とろみ餡をかけて完成。餡をかけずこのままでも美味しくいただける。
●「ビジンサマレシピ」について
信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山にはビジンサマという神様が住んでいて「ビジンサマが山を通る日、人は山仕事を休む」という言い伝えが残されています。「休む」ことは、美しく健やかな体づくりに必要なこと。ビジンサマの語源はもしかしたら「美人様」なのかもしれません。

蓼科塾では「休む」神様ビジンサマにちなみ、ビジンサマのお膝元である信州から「休む」ためにふさわしい体に優しい食材を使い卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を提案しています。

信州といえば、麹を使った味噌や甘酒などの発酵食品や、蕎麦、キビ、アワなどの雑穀、山野草にきのこ、リンゴや杏、ぶどうなどのフルーツ、寒天や高野豆腐などの乾物類などなど、美味しくて体に良い食材の宝庫。中には美容・健康効果の高い食用ほおずきといった、あまり流通していない食材もあり、入手方法から調理方法までお伝えしていきます。
「ビジンサマレシピ」で美しく健やかな体づくり、してみませんか?

中村恭子●一般社団法人蓼科塾代表/地産地消料理研究家/健康管理士。
2011年東京都より長野県茅野市に移住し信州の地産地消に根ざした「ビジンサマレシピ」の開発を手がけている。
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