くらし

「ビジンサマレシピ」で作る、長芋クリームと季節のジャムのタルト。

信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山に住んでいると伝えられているビジンサマという神様。そのお膝元である信州から、体に優しい食材を使い、卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を、地産地消料理研究家の中村恭子さんに紹介してもらいます。
  • レシピ提供:中村恭子

長芋は山芋の一種です。すりおろしてとろろにすると、自然薯よりもキメが粗く水分が多くさらさらとした食感です。信州では山形村の長芋が有名で、村ではあちらこちらに長芋の畑が広がっています。長芋農家さんの多くは2年以上の連作はせず、ごぼうやネギと交互に栽培するのだそうです。長い、土ものを栽培するには土壌が柔らかく良質であることが条件になりますが、山形村はそれに適した場所なのだとか。晩秋の収穫シーズンに伺ったときには長芋の他にりんごも実っていました。

長芋を含む山芋は滋養強壮作用が有名で、下半身を温める効能があるといわれており冷え性の方におすすめの食材です。また足腰の弱りに効く漢方薬にも用いられています。

長芋クリームと季節のジャムのタルト

今回作るのは、前回作った長芋クリームとあわせて楽しめるタルト生地です。作業台を汚さずにサクサク美味しい生地作りのコツをご紹介します

【材料】

地粉(国産小麦粉) 98g
小麦ふすま 5g(小麦ふすまが手に入らなければ全て地粉でも可)
塩 小さじ1/4
てんさい糖 お好みで大さじ1~2 (なくても可)
ココナッツオイル 50g
無調整豆乳 30cc
酢 小さじ1/4

【作り方】

1 : 地粉、小麦ふすま、塩、(てんさい糖を入れる場合はここで)をビニール袋に入れて、中身が出ないように袋の口をしっかりと握ってよく混ぜ合わせる。
2: 続いて袋の口を広げて粉類の真ん中に少しくぼみを作り、湯煎で溶かしたココナッツオイルと豆乳、酢を併せたものをくぼみ部分に注ぎ入れる。
3: 再び袋の口をしっかりと持ち、ポンポンと台に打ち付けるようにして粉とオイルを混ぜ合わせ、粉っぽいところが残っていれば袋の上から手で揉むようにして馴染ませる。
4: 粉っぽさがほぼなくなれば生地の完成。
5: 袋の上から丸く形を整えた後、袋をハサミで切り開き作業台に広げ、上からラップをかぶせる。
6: 麺棒で型より一回り大きく伸ばす。
7: 型に生地をのせる。※一度生地を持ち上げて逆さにして下の袋を外して、方に載せると手を汚せずに作業できる。ラップの上から綿棒を当てて余分な生地を落とす。
8:型に生地を添わせたらフォークなどを使ってピケ(生地の底面に穴を開ける)をしてクッキングシートをかぶせ重石を載せる。
170度に余熱を入れたオーブンで30分前後焼く。クッキングシートごと重石を外して、型から外し粗熱を取る。長芋クリームをタルトに敷き詰めお好みのジャムを乗せていただく。(今回は紅玉りんごを使用)
●「ビジンサマレシピ」について
信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山にはビジンサマという神様が住んでいて「ビジンサマが山を通る日、人は山仕事を休む」という言い伝えが残されています。「休む」ことは、美しく健やかな体づくりに必要なこと。ビジンサマの語源はもしかしたら「美人様」なのかもしれません。

蓼科塾では「休む」神様ビジンサマにちなみ、ビジンサマのお膝元である信州から「休む」ためにふさわしい体に優しい食材を使い卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を提案しています。

信州といえば、麹を使った味噌や甘酒などの発酵食品や、蕎麦、キビ、アワなどの雑穀、山野草にきのこ、リンゴや杏、ぶどうなどのフルーツ、寒天や高野豆腐などの乾物類などなど、美味しくて体に良い食材の宝庫。中には美容・健康効果の高い食用ほおずきといった、あまり流通していない食材もあり、入手方法から調理方法までお伝えしていきます。
「ビジンサマレシピ」で美しく健やかな体づくり、してみませんか?

中村恭子●一般社団法人蓼科塾代表/地産地消料理研究家/健康管理士。
2011年東京都より長野県茅野市に移住し信州の地産地消に根ざした「ビジンサマレシピ」の開発を手がけている。
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