くらし

女が本気になって自分の生き方と子育てを考えはじめた時から、社会とは無縁でいられなくなる――編集部

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、いまから40年ほど前の女性たちの思いに迫ります。
  • 文・澁川祐子
1977年9月号「『ニューファミリー』ってどんなイメージですか?」より

女が本気になって自分の生き方と子育てを考えはじめた時から、社会とは無縁でいられなくなる――編集部

「ニューファミリー」とは、戦後のベビーブームを中心とした世代の夫婦や家族を指す言葉。1970年代半ばに登場し、友だちのような夫婦関係、親とは同居しない核家族といった、従来とは異なる価値観を持つ新たな家族像として注目を集めました。

クロワッサンでは、1977年7月号から3回連続で「ニューファミリー生活のリポート」を特集。創刊半年前から実施した若い夫婦813組のアンケートをもとに住まいやファッション、家事や育児などニューファミリーのライフスタイルを解剖し、座談会を開いています。

その総集編ともいうべき第3回で話題になったのは、いかにして女性が自立した生き方を手に入れるかということ。

女性が家庭を持ち、子育てしながら働きたいと思うと、保育所不足の問題や「育児は母親がするもの」という世間の価値観に、否応なしに向き合わざるを得ない。そうした文脈のなかで、今回の名言は綴られています。

座談会の終盤では、「結局は女の意識の問題」「裏を返せば男の問題にもなる」といったやりとりも。最終的には<女が変わらないと男が変わらない>という意見に落ち着いています。

40年あまりの月日が経ち、はたして社会は変わることができたのか。<自分のために、女として自立しようと模索しているファミリーのママたちが、将来同じことを繰り返すとは、思いたくない>という言葉が、重く響いてきます。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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