慣れたつもりが最も危険、仕事メールの基本を復習。
撮影・岩本慶三 文・嶌 陽子
【5】本題は、改行などで目立たせる。
本題に入るとき、「さて」「●●の件ですが」などと書き始めると、用件が明確に。より目立たせるよう、空白の1行の後に続けるのがおすすめ。同様に、日時などといった重要な伝達事項の前後も1行空けると目につきやすい。
そもそも、文字がびっしりと詰まったメールは読みづらいので、本文の1行は30字程度にして、区切りのいい読みやすい場所で折り返す。長くなる場合は、適宜改行するといった工夫を。そのとき、相手の名前が行末にきたり、途中で改行されたりするのは失礼なので注意しよう。
【6】結びの言葉は、重みのある言い回しがおすすめ。
本文の締めにきちんとした敬語を使うと、全体に丁寧な印象が残る。堅苦しい言い回しや繰り返しが気になるなど、文章全体を整えたいなら、たとえば前半を「よろしくお願いします」と軽くして、結びを「なにとぞよろしくお願い申し上げます」など重みのある表現にすると収まりがいい。
【7】署名で、連絡を取りやすくする。
本文の後に自分の会社名、所属、住所、電話番号、ファックス番号などを明記しておこう。相手が他の手段で連絡を取りたい場合に改めて訊ねたり、名刺を探す手間をかけずにすむ。読みにくい名前は、読みを記しておくと親切だ。
【8】添付ファイルの付け忘れに注意。
文書や画像を添付して送信する際は、添付忘れがないか必ず確認すること。その際、本文内で「資料を添付してお送りします」などと伝えよう。相手の見落としも防げるし、万が一添付を忘れていた場合にミスに気づいた相手が知らせてくれる場合もある。なお、添付ファイルが3MB以上の大容量の場合、受信側がファイルを開けないこともある。圧縮したり、何回かに分けて送るよう心がけて。
井上明美(いのうえ・あけみ)●ビジネスマナー・敬語講師。言葉の使い方や敬語を教える。All Aboutにて「手紙の書き方」ガイドも。著書に『最新 手紙・メールのマナーQ&A事典』(小学館)。
『クロワッサン』975号より
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