くらし

アート好きならチャレンジ! 難問揃いの「ムンク検定」。

自画像(1882年)

代表作「叫び」で世界的に知られる画家ムンク。生涯を通して、生と死、愛や不安など、人間の根源的なテーマを描いた画家の大回顧展が、2018年10月27日から東京都美術館でスタートします。

1863年、ノルウェーの由緒ある家系に長男として誕生したムンクは、5歳の時に母を、14歳の時に姉を結核で失い、その死を主題に作品を制作するようになります。のちにムンクは印刷物の中で「《病める子》は、新たな道を切り開いた、私の芸術における、一つの突破口。そのあと描いた多くの絵の起源がそこにある。」と語っています。

《病める子Ⅰ》(1896年)

家族の死というトラウマを抱えつつ画学校に学び、26歳で初個展を開催。その後パリやベルリンで世紀末を代表する作家たちと交流し、刺激を受けながら独自の表現を確立していきます。1892年、29歳の時ベルリン芸術家協会の招待を受けて開いた個展が一週間で閉幕を余儀なくされるという「ムンク事件」を経て、30歳の時に発表したのが世界的に知られる代表作「叫び」です。

赤く染まる空とオスロのフィヨルドを背景に自然の叫びにおののき耳をふさぎながら立ち尽くす人物。ムンクは同じモティーフを素材や技法を変えながら繰り返し描く画家で、この「叫び」も実は複数点存在します。現在、版画を除き4点の「叫び」があり、2018年秋に日本で公開されるのは、オスロ市立ムンク美術館蔵のテンペラ・油彩画(1910年?)の作品で、今回が初来日。

《叫び》(1910年?)

代表作が世間に広まる中、39歳のムンクを悲劇が襲います。恋人トゥラ・ラーセンとの間に銃の暴発事件が起こり、左手中指の一部を失ってしまうのです。この後、ムンクはアルコール依存症や神経症にますます悩まされていきます。

ナチスがノルウェーを占領するなか、1944年、80歳で孤独のうちにこの世を去ったムンク。

東京都美術館での大回顧展では、その葛藤の人生とともに60年に及ぶ画業を構成。約60点の油彩画に版画などを加えた約100点が東京に集まります。

【開催概要 】ムンク展ー共鳴する魂の叫び

会期:20181027日(土)~ 2019120日(日)
休室日: 月曜日 (ただし、1126日、1210日、24日、114日は開室)、1225日(火)、115日(火)、年末年始休館、1231日(月)、11日(火・祝)
開室時間: 9:3017:30 ※金曜日、111日(木)、113日(土・祝)は午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)
会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
観覧料 :当日券 | 一般 1,600円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円(前売り券、団体の料金は公式サイトでご確認ください)
毎月第3水曜日の「シルバーデー」は65歳以上無料(当日は混雑が予想されます)、12月は高校生無料(要証明)

<クイズの答え>
【問1】エドヴァルド・ムンクはどこの人? 
 アメリカ☓   ノルウェー◯   フランス☓
【問2】 ムンクの代表作のひとつ「病める子Ⅰ」。モチーフとなったと言われているのは?
  別れた恋人☓ 結核で亡くなった姉◯
【問3】世界的に有名な作品、「叫び」。中央の人物は何をしている?
歌っている☓ 耳をふさいでいる◯ 
※叫んでいるという説もありますが、自然の叫びにおののき、耳をふさいでいるとされています。
【問4】ムンクの「叫び」は、実は複数点存在します。版画以外に世界に何点ある?
4点◯ 3点☓ 10点☓
【問5】女性との愛憎をモチーフにした作品を多く残したムンク。女性との別れ話の際、銃の暴発事件により、ムンクが失ったのは?
左手中指の一部◯ 右足☓

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