くらし

【たらればさん】文は人なり。文章が上手くなれば人を喜ばせ、自分の人格も整ってきます。

  • 撮影・青木和義 文・一澤ひらり

まず伝えたいことを最初に書く。これがわかりやすい文章の極意。

必携本2冊。『日本語の作文技術』(本多勝一著)と、『「いい文章」ってなんだ? ―入試作文・小論文の歴史』(石川巧著)。

文章がうまく書けない人に多いのは、あれも書きたいこれも書きたいという思いが充満して、頭の中が整理できていない状態に陥ることだ。
「最初に書きたいことを箇条書きにして、順番とそれぞれの分量を決めてから書き出しましょう。材料だけあっても設計図なしで家は建てられません。それと同じで文章を書くには、書く順序を整理することが必要なんです」

いい文章の第一の条件とは人に伝わりやすい文章であること。ただし書き方には、技術的な角度からのアプローチも必要になってくる。
「その方法を学ばせてくれるのが、本多勝一著の『日本語の作文技術』です。句読点の位置、一文の長さ、ひらがなと漢字のバランスや人称など、人に伝わりやすい優れた文章にはちゃんとした理由があることを教えてくれます」

たらればさんによると、文章は感情を伝えるための私的な文章と、仕事などで使う事実を伝えるための文章の2つに分けられるという。
「共通するのは何を伝えたいかを最初に書くこと。これがわかりやすい文章を書く上で一番大切なことです。事実を伝える文章はまずその事実を書く。感情を伝える文章なら読み手を喜ばせたいのか、一緒に悲しんでほしいのか、それを最初に伝える文章が、今の時代には合っていると思いますね」

文章はコミュニケーション。誰かに伝えるために書くものだ。自分本位にならないよう、最後は必ず読み返そう。
「送信ボタンを押す前にもう1回読み直すと全く違います。外出する前には鏡を見ましょうという話ですね(笑)」

たられば●出版社勤務。紙とWebの編集に携わる。2011年よりツイッターを始め、フォロワーには西原理恵子さんや糸井重里さんなど著名人も多い。匿名で質問できる「質問箱」を使い、人生相談にも応じている。

『クロワッサン』975号より

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