くらし

庭師、草盆栽家に教わるベランダガーデニング入門。完成までの流れがわかります。

  • 撮影・青木和義 文・大澤千穂

5. 苔を貼る、軽石を入れるといった化粧を施す。

シート状の苔をプランターの形に合わせて手でちぎり、何枚かに分けて埋め込むように貼る。「ピンセットなどで押し込むと定着しやすいですよ」
軽石はスコップで少しずつすくい、鉢の表面にまんべんなく広げていく。「土台に入れたものよりも細かい粒の軽石が、見栄えもよいのでおすすめ」

「仕上げに、土の表面に“お化粧”を施しましょう」
と砂森さん。4つのプランターのうち2つには苔を貼り、もう2つには軽石を敷きつめる。
「見た目が整うだけでなく、乾燥した土が舞い散らないようにする重しの効果もあります」
今回は室内側に苔の鉢を置いて、より緑を楽しめる趣向に。

6. これからのお手入れについてレクチャーする。

「植物を二人の生活スタイルに慣れさせることが大切」と、砂森さん。

枝を剪定し全体のバランスを整えたら完成。今後の植物のお手入れ法を、佐藤さん夫妻に伝える。
「過保護にする必要はありません。水はひと鉢10リットルを2日に1回。でも環境に慣れれば、数日あげなくても大丈夫。自然界の植物だって毎日水をもらえないですから。植える時季と植栽によりますが、今回はだいたい2カ月くらいで根が落ち着くでしょう」

最後は、砂森さんが剪定したての枝を次々と花器に生けるサプライズ。これには夫妻も大喜び。
「まるで庭ができたみたい。暮らしの中に緑があるって素敵ですね」

⇒ ベランダガーデニングは、プランターごとにコンセプトを決める。

砂森さんの店で扱う10リットルのじょうろ。「水圧が強いと土に穴を開けてしまうので、シャワー式のじょうろが最適です」。
佐藤さん宅にあった花器に砂森さんがさりげなく生けたグリーン。

砂森 聡(すなもり・さとし)●庭師、草盆栽家。自然を感じる庭を数多く手がける。西荻窪『草と花 一草(isso)』に続き、吉祥寺に『ひとくさ』を開店。

『クロワッサン』974号より

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