【スマホ 基本のキ】紛失・パスワード・位置情報──心得ておくべき基礎知識5点
イラストレーション・伊野孝行 構成&文・長谷川未緒
1. 億劫がらずに画面ロックを設定しよう
スマホの電源を入れたり、スリープ状態を解除したりする際、顔認証や指紋認証、パスコードなどを使って解除する画面ロック。
「2024年のNTTドコモの調査では、60代、70代の半数近い人が画面ロックをかけていませんでした。解除が面倒だったり、誰にも見られないと思っていたりするのかもしれません。画面ロックを設定することで、のぞき見だけでなく、紛失時の不正利用、カバンやポケットの中での誤作動を防ぐ等、メリットがたくさんあります」(鈴木朋子さん)
パスコードを設定していても、1234、000000、111111など、わかりやすい数字を使っている人も少なくない。自分は覚えやすいけれど、他人からは類推されにくい数字を選ぶことも重要だ。
2. 〈探す〉アプリは事前に試しておく
iPhoneの〈探す〉アプリ、Androidの〈デバイスを探す〉アプリは、スマホを紛失した際、位置情報からスマホを探せるアプリだ。しかし、なくしてからではどうやってこのアプリを使うのか迷うこともあるため、一度試しておいたほうがいい、と鈴木さん。
「パソコンなどスマホ以外のデバイスが手元にない場合は、家族や友人のスマホ等を借りて、ブラウザにアクセスする必要があります。また、iCloudのメールアドレスやパスコードが必要になりますが、慌てていると思い出せない場合も。遠隔でロックをかけられたり、見つけた人に連絡してほしい電話番号を表示できたり、機能も充実。きちんと使えれば、かなりの精度で見つかりますので、いざというとき使えるように練習しておきましょう」
3. パスワード類はアナログで管理を
サービスの利用に必須のIDやパスワード。iPhoneならキーチェーンというシステムを有効にしておくと強力なパスワードを自動で作成してくれたり、簡単にログインできたり。また、パスワード管理アプリなどもあるが……。
「強力なパスワードは覚えにくいのでほかのデバイスで入力できませんし、パスワード管理アプリはアプリ自体のセキュリティに不安も。私個人としては、キーチェーンやアプリに頼らず、任意のパスワードを設定し、自分で管理することをおすすめします。パスワードは使いまわさないようにし、忘れたときに備えてノートなどに書き、大事に保管しましょう。時代に逆行するように感じるかもしれませんが、家族が見てもわかるようにしておけば、終活にも役立つと思います」
4. 位置情報はオン・オフの切り替えを
GPSを利用してスマホの現在地を特定できる位置情報。オンにしておけば地図アプリで現在地が把握できたり、写真や動画の撮影場所が記録できたり。スマホの盗難・紛失時にも探せる。一方でバッテリーやデータ通信量の消費増、プライバシーの漏洩リスクも。
「よく使うアプリや位置情報が必要なアプリはオン、あまり使わないアプリや位置情報が不要なアプリはオフにしておくといいでしょう。位置情報のオン・オフで迷いがちなのがカメラ。以前は位置情報つきの写真をSNSに投稿すると、情報漏洩の恐れがありと、オフを推奨していましたが、現在は主要なSNSアプリは位置情報を削除するので、オンで大丈夫です。iPhoneの〈写真〉アプリ内の〈地図〉を開くと、撮影地ごとに写真を確認でき、楽しいですよ」
5. 紛失に備えて保険に加入しよう
スマホを置き忘れても、画面ロックの設定をしていれば不正利用されるリスクは少ない。日本国内であれば〈探す〉アプリで見つかることが多いし、圏外や充電切れでも一定時間探せる。しかし完全に充電が切れてしまうと、探せなくなってしまう。
「見つからなければ、警察に届けたうえで、買い替えをするしかありません。このとき、もしもに備えて保険に加入していると負担が軽減されます。キャリアやデバイスが提供する保険のほか、一般の保険がいろいろとありますので検討を。たとえばクロネコヤマトの『スマホもしも保険』や、ニッセイプラスの『月々200円からのスマホ保険』、イオンの『スマホ保険』など。保険料と補償のバランスで、ご自分に合う保険を選ぶといいでしょう」
『クロワッサン』1141号より
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