節約、充電──災害時の“命綱”、スマホを守れ!
撮影・北尾 渉 イラストレーション・寺山武士 構成&文・堀越和幸
限りあるスマホの充電を、あらゆる手段で長持ちさせる
まずは電池の劣化具合を確認、それからあの手この手で節電を
災害時にスマホをできるだけ長持ちさせるには節電のコツを知っておく必要がある。が、その前に、まずは電池の劣化具合を一度確認しておくといいです、と指摘するのは、ITジャーナリストの鈴木朋子さんだ。
「正常の状態は最大容量100%ですが、経年劣化をするとそれが80、70と落ちる。いくら節約してもすぐに電池切れになってしまいます」
その点を踏まえた上で、以下の節電のための知識を押さえておこう。
「最初に勧めたいのは、アプリの余計なGPSを切るということ。これが意外と消費量が高いんです。実際にそのアプリを使用していなくてもバックグラウンドで働いていることが多いので、要注意です」
もともとスマホに備えられている、節電モードに切り替えるのも有効だ。
「iPhoneの場合は低電力モード、Androidはバッテリーセーバーがそれに当たります。充電の残量が少なくなると自動的に切り替わる機能ですが、いざという時は自分で切り替えて使うと節電ができます」
自動消灯時間の設定を点検することも大切だ。自動消灯時間とは画面が暗くなる(スリープ状態)までの時間を指すが、意外にこれについて無頓着でいる人は多い。
「これも一度設定を確認してみましょう。長めになっている人は1分くらいに設定し直すといいです」
画面が明るいままということは、それだけ電池を消耗し続けているということだから、こまめなオン・オフで少しでもスマホを延命させよう。
必携品のモバイルバッテリーは、“燃えにくい”タイプに注目
いざという時の充電切れに備えるには、モバイルバッテリーは心強い味方だ。だが、近年は残念ながら火事騒ぎで報道されるケースも多い。
「発火の原因はリチウムイオン電池の衝撃による内部ショートや過充電などによる異常発熱が原因ですが、ここ最近は“燃えにくいタイプ”が次々に登場しています」
その主流は“準固体電池”に“リン酸鉄の電池”、そして“ナトリウムイオン電池”なのだそう。
「従来の可燃性の高い液体電解質をゲル状に変えて液漏れや発火リスクを押さえたタイプや、熱に強く発火しにくい材料や構造を採用したタイプなど、安全性をより高めた次世代のバッテリーが注目を集めています」
一方で、そうはいってもまだ充分に使える従来型のモバイルバッテリーを持っている、そんな人はこんな商品もチェックするといい。
「耐火素材を組み合わせた、モバイルバッテリー用のポーチも最近は出ています。こういうアイテムを上手に取り入れましょう」
いざとなったら電池をレンタル、そんな選択肢も頭に入れておく
充電切れのピンチには、モバイルバッテリーを借りるというのも一つの手だ。鈴木さんが推すのは、「チャージスポット」というシステム。
「コンビニなどにあるモバイルバッテリーのレンタルです。専用のアプリをダウンロードすれば、お店でスキャンするだけで借りられます」
バッテリースタンドは、全国に約6万2000台設置。返却はほかの店でもできるし、どの店舗に何台あるかをアプリで知ることも可能だ。
「災害発生時には、規模によって無償貸し出しを行うこともあります」
直近では2025年の青森県東方沖地震、2026年の熊本地震の際に48時間の無料レンタルが実施された。平常時より「チャージスポット」の存在に慣れておくといい。
アプリを起動すれば、近所のどこに「チャージスポット」があるかがマップ上で示される。料金は時間制で、1〜3時間未満なら430円。https://chargespot.jp/
電池切れのスマホを復活させる、まだまだある、こんな手段
いざという時の充電切れ対策。ほかにはどんなアイデアがあるか? 車を乗る人ならこれを準備しておくべき、と鈴木さんが勧めるのは写真のカーチャージャー(車載充電器)だ。
「スマホをつないで、車のシガーソケットに差し込んで使います。車中泊避難などではとても役立つはず」
そして、スマホはほかのデバイスからも給電が受けられるということも、知識として頭に入れておこう。
「ポピュラーなのはパソコン。USBケーブルにつないで充電します。スマホ同士をつなぐ“リバース充電”という方法もあります。電池の残量が多いほうから少ないほうへ充電されますが、機種によりできないものもあるので、事前に調べておきましょう」
『クロワッサン』1172号より
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