【これからAIを始める人必読】基礎知識・やってはいけないこと
撮影・青木和義 イラストレーション・ジェン・ツー 撮影協力・浦安ブライトンホテル 東京ベイ 構成&文・堀越和幸
【基礎知識】そもそも生成AIって何? いつものネット検索とは何が違うの?
近頃よく耳にするChatGPT、Geminiとは“生成AI”のことで、学習した大量のデータから新しいコンテンツを生む人工知能を指す。
「よく調べものに使う人がいますが、それではネット検索の域を出ていません。たとえば“着痩せする夏の服”という言葉を打ち込むと、ネット検索なら無数の候補が挙がりますが、AIはユーザーの条件に応じて絞り込んだ提案をしてくれる。優秀な秘書のような感じです」
と教えてくれたのは、スマホ活用アドバイザーの増田由紀さんだ。無限ともいえる情報の大海原から、こと自分に役立つものだけに特化して集めてくるのは、AIには学習能力があるからだ。
「質問を重ねるうちにAIはユーザーに対する理解を深めていきます。現在、私はChatGPT、Gemini、Claudeと3つのAIを使っていますが、3つともあらかじめ“私の取説”を学習させています。すると答えの精度がまた上がります」
私の取説とは、自分はどういう人間で、仕事は何で、何が好きか、という情報。するとAIはその人に寄り添うように答えて、会話もする。が……。
「AIは期待には応えたいという傾向が強いので、時にそれが高じて誤った答えを持ってくる場合もあります」
AIが探した本を買おうとしたら、そんな本は世の中にない、という残念な経験を増田さんはしたことがある。
「でも、AIのせいにしてはいけません。AIの出した答えは人間が最後に確認をするというところまでがワンセット。それがAIとの正しい付き合い方です。ビギナーでも気軽に始められるAIとしてはChatGPT、Geminiがおすすめですが、ビギナーにはどちらも差はありません。アプリをダウンロードして、扱いやすいほうで試してみてください。もちろん無料版で充分に楽しめます」
どんな種類がある?
Googleが開発、提供する生成AI。検索エンジンとの連携が強力で、最新のニュースやWeb上の情報を随時反映できる。大量のデータを読み込むのも得意。
OpenAIが開発した、人間のように自然な対話ができる人工知能サービス。質問や指示を入力するだけで、文章の作成や要約、翻訳などもこなしてくれる。
実録・やってはいけないこと
【ケース 1】お金
80代のAさんは3人の娘に自分の財産を分けたいと考えている。そこで、なるべく公平に分配できるように、不動産の評価額、銀行預金の金額、有価証券の相続法をAIに相談した。AIに相談するときはなるべく具体的がいいと聞いていたので、住んでいる住所、銀行名や証券会社、銘柄などもすべてAIに共有したが……。
ネット上に個人情報を投げると、どこでどう使われるかわかりません。住所や口座番号などの類は決して開示してはいけません。悪用される危険があります。
【ケース 2】病気
50代のB子さんは加齢とともに、近ごろどうも目の調子が悪いと感じている。視界がぼやけて、見えづらくなっているのは老眼のせいだけではないかもしれない……。感じている不調をAIに投げかけたところ、緑内障かもしれません、との答え。ショックを受けたB子さんは眼科に行くのも怖くて、毎日悶々と塞ぎ込んでいる。
ちょっとした不調を聞いてもらって参考にするのはありですが、そのまま信じ込んでしまうのはよくないです。AIは病気の判断までできません。病院に行きましょう。
【ケース 3】悪口
C子さんは同僚のYさんと喧嘩をしてしまった。家に帰ってからも腹の虫が治まらないので、いつものようにAIに愚痴を聞いてもらうことに。が、この日はつい感情的になってしまい、××会社の受付をしているYは性格が悪くて……、と固有名詞を出してしまった。今になってC子さんは、バレるのではないかとくよくよしている。
単純にYさんの悪口ならどこのYさんかわかりません。この場合は会社が特定できてしまう点が大きな問題です。AIには他人に“知られても問題ないこと”を話しましょう。
【ケース 4】依存
AIは優しい。ちょっとした悩みも聞いてくれるし、いつも肯定的な答えを出してくれる。そうであればもう友だちとも面倒な思いまでして付き合う必要はないのではないか、とD子さんは思い始めている。最近、AIに推しの男性の名前をつけたらますます距離が縮まった気がする。AIは私にとっての特別な存在だと思う。
AIは心強い相談相手のひとり。でも、いつも肯定してくれる答えだけでは、見えなくなることもあります。「別の見方も教えて」と尋ね、最後は自分で考えて決めましょう。
『クロワッサン』1171号より
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