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一生かけて楽しみつくす趣味の話:久保百合子さんの「韓国文化」

新たな趣味を見つけ、充実した日々を送っている人を取材。その生き生きとした姿に、何歳から始めても遅くないと勇気をもらえるはず。

撮影・黒川ひろみ 文・長谷川未緒

推し活をきっかけに食も文化も大好きに

久保百合子さん(56歳 フードスタイリスト)

コロナ禍に韓国のボーイズグループ、BTSの大ファンになったのは、フードスタイリストの久保百合子さんだ。

「韓国のごま油は味も香りも、抜群です」ナムルを作る久保さん。韓国で購入した搾りたてのごま油やえごま油を使えば、本場の味に近い仕上がりに。
「韓国のごま油は味も香りも、抜群です」ナムルを作る久保さん。韓国で購入した搾りたてのごま油やえごま油を使えば、本場の味に近い仕上がりに。

「周りに好きな人が多かったので、気になって聴いてみたら虜に。緊急事態宣言のときはいろいろ大変でしたけど、BTSのおかげで楽しく過ごせました。今までアイドルにのめり込んだことも、韓国に興味を持ったこともなかったので、自分でも驚いています」

よく作るというスンドゥブチゲ。海鮮の出汁と唐辛子の旨味が効いた、辛すぎずやさしい味わい。新大久保で購入した韓国の土鍋「トッペギ」に盛って。
よく作るというスンドゥブチゲ。海鮮の出汁と唐辛子の旨味が効いた、辛すぎずやさしい味わい。新大久保で購入した韓国の土鍋「トッペギ」に盛って。

興味の幅は韓国文化そのものへと広がり、映画やドラマを観たり、韓国語を習い始めたり。今はBTSメンバーのライブを観るためなど、年に4回ほど韓国に通っている。

韓国のお母さんが作る「ミッパンチャン」(常備菜)を真似て、ナムルや茹で野菜、コッチョリと呼ばれる浅漬けキムチを常備。ごはんに混ぜれば、簡単にピビンパが完成する。
韓国のお母さんが作る「ミッパンチャン」(常備菜)を真似て、ナムルや茹で野菜、コッチョリと呼ばれる浅漬けキムチを常備。ごはんに混ぜれば、簡単にピビンパが完成する。

「私が好きなメンバーはアートに詳しく、彼がSNSで紹介していた美術館巡りも。この絵を彼も観たのか、なんて浸りながら足跡を辿ったり、インテリア雑貨や暮らしの道具を購入したり、市場で調味料を買ったりしています」

祭事に使われる木台や人形、器などを用いて韓国風にしつらえられたインテリア。グリーンはえごまの葉で、飾りつつ料理にも利用している。
祭事に使われる木台や人形、器などを用いて韓国風にしつらえられたインテリア。グリーンはえごまの葉で、飾りつつ料理にも利用している。

じつは韓国料理は得意ではなかったが、旅を通じてそのおいしさにも気づけた。ごま油とにんにく、唐辛子、塩のシンプルな味付けの料理は口に合い、今ではチゲやナムル、ピビンパなど、週に3回は韓国料理を作るそう。

若い頃から旅の思い出を記録する旅日記を作成。 どこで何を食べたか、観光した場所、買ったものなどをメモし、再訪する際の参考にしている。
若い頃から旅の思い出を記録する旅日記を作成。 どこで何を食べたか、観光した場所、買ったものなどをメモし、再訪する際の参考にしている。

「知りたいことがあればSNSでガツガツ情報収集しています。韓国語を勉強しているので韓国人の投稿もわかりますし、知り合いもでき、さらに世界が広がっていくのを実感しています」

韓国の歴史や政治について書かれた書籍を愛読。 映画やドラマも、その背景となる知識があると、 より理解が深まり、作品を楽しめるという。
韓国の歴史や政治について書かれた書籍を愛読。 映画やドラマも、その背景となる知識があると、 より理解が深まり、作品を楽しめるという。
  • 久保百合子

    久保百合子 さん (くぼ・ゆりこ)

    フードスタイリスト

    レシピ本や料理雑誌を中心に、料理まわりのスタイリングを手掛けている。料理家やそのときのテーマ、料理に合わせて作られる世界観に定評がある。

『クロワッサン』1126号より

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