くらし

“塩”で旨味を引き出す、井澤由美子さんの“塩遊び”レシピ。

塩の効果を知って適切に使うことで、料理がますますおいしくなる!
「なにはなくとも塩が大切」と語る料理家の井澤由美子さんにその極意を聞きました。
  • 撮影・三東サイ 文・長谷川未緒

私の塩遊び、あれこれ。

塩の使い方次第で、余計な調味料を減らせたら、かえって減塩効果も。
塩とシンプルな食材で旨みを引き出し、新しいおいしさを発見する塩遊び。自分好みの塩で試してみて!

塩(パウダー塩)×油

鶏肉に塩をまぶしてひと晩置くと、余分な水分や臭みが出て下味がつき、鶏肉の甘みを引き出して柔らかく煮ることができる。オイルが鶏肉の旨みと玉ねぎの甘みをひとまとまりに。好みで粒胡椒や山椒を5〜6粒加えてもいい。

鶏肉と玉ねぎのオイル煮

【材料(2〜3人分】
鶏骨つきもも肉 2本(1本300g)
玉ねぎ 2個
塩 大さじ2
オリーブオイル 大さじ3~4

【作り方】
1.ポリ袋に鶏肉を入れ、塩を揉み込んで一晩冷蔵庫で寝かせ、流水で洗って水気を切る。
2.玉ねぎを縦半分に切って厚手の鍋に入れる。1の肉を置き、オリーブオイルをまわしかけて蓋をし、時々、鍋ごとゆすりながら中弱火で40〜50分ホロリとするまで煮る。
※鍋によってこげつきが心配な場合は、蓋をする前に水大さじ2〜3を加える。

塩が鶏肉の余分な水分を抜いて味の道を作ってくれる。

塩(粗塩)×酒

塩の脱水作用と酒の防腐効果で雑菌が繁殖しにくく、保存が可能に。塩が牡蠣の臭みやぬめりを抜き、甘みを引き立てる。酒は料理酒ではなく、飲んでおいしいものがいい。蛤やつぶ貝、砂肝やレバーなどもおすすめ。

牡蠣の酒塩煮

【材料(作りやすい分量)】
岩牡蠣 5個
日本酒 300ml
塩 小さじ2~3

【作り方】
1.少し大きめの鍋に酒を入れて沸かし、塩を加えて中火にかけ、4〜5分煮てアルコールを飛ばす。冷まして清潔な保存容器に入れる。
2.牡蠣は酒蒸しにするか、さっと下茹でして1に浸し、冷蔵庫へ。4〜5日保存可能。

塩(粗塩)×酢

納豆にはしょうゆを合わせがちだが、塩を使えば納豆の旨みをしっかり感じられる。酢が加わることで一層の腸活効果も期待でき、納豆の栄養を吸収しやすくなる。酢がタンパク質を抱き込み、ふわふわの混ぜ上がりに。

納豆の酢塩和え

【材料(1人分)】
納豆 1パック
塩 少々
酢 小さじ1〜3
みょうが、からし 各少々

【作り方】
納豆に塩をふり、酢を入れてよくかき混ぜる。器に盛り、みょうがとからしを添える。

塩(パウダー塩)×水

硬めに炊いたもち米や硬くなったご飯、玄米などは塩水に浸して蒸すと、塩が臭いを取り、適度に塩味がついておいしく食べられる。塩は水に溶けやすいパウダー塩を。ナッツを混ぜたり、卵や肉を一緒に蒸すとバランスのいい食事に。

ご飯の塩水蒸し

【材料(4人分)】
冷やご飯茶碗 4〜5杯
水 1カップ
塩 小さじ1
ナッツ類(くるみや松の実、かぼちゃの種、クコなど)適量

【作り方】
1.ボウルに水と塩を入れて混ぜ、ご飯を加え、全体を馴染ませる。
2.軽く固めてハスの葉の上に置く。ナッツや水で戻したクコなどを飾り、包んで熱い蒸し器に入れる。蓋をして中火で10~15分ほど蒸す。

上・今回は、もち米と白米を半量ずつで調理。玄米でもおいしい。 下・香り良いハスの葉で巻いたが、オーブンシートやさらしでも。
井澤由美子

井澤由美子 さん (いざわ・ゆみこ)

料理家、養生デザイナー

国際中医師、調理師、東京食薬Labo主宰。旬の食材の味と効能を生かした料理に定評がある。『まいにち食薬養生帖』など著書多数。

『クロワッサン』1102号より

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