“植物のお医者さん”に、緑の病気を診てもらう。
撮影・青木和義、小川朋央、黒川ひろみ 構成&文・堀越和幸
樹医の滝口肇さんはもともと植物学や微生物学を専門にする科学者だった。それが園芸店で働くようになってから、植物を育てることについてのちょっとした知識が、意外と消費者にまで降りてこないことに気が付いた。
「ネットなどを見ても“お水をたっぷり”とか、感覚的な表現が多いんですよ」
であるなら、科学的根拠に基づいたケアを伝達することこそが自分の使命ではないか。かくして“植物のお医者さん”として独立を果たしたのだという。具合が悪い時に、症状によって手当てが変わるのは人間も植物も変わらない。
「たとえば食事ができないくらいに弱った人が点滴を打つように、衰弱し切った植物には肥料ではなく活力剤を与えなければなりません。でなければ逆効果。虫の退治についても、どの虫にはどの薬でどんなやり方がいいか、ということを考える必要があります」
この日、滝口さんが見せてくれたのは、2種類の薬剤によるコナジラミの駆除(下写真)。瀕死の植物を枯らす前に、プロの診療を一度受けてみよう。
(問診)
↓
(治療)
(Before)
(After)
『クロワッサン』1092号より