SDGs的な価値観が、いまとても重要なこととして取り上げられることが多いですよね。いわゆる「捨てる」という行動が、罪悪感に結びつくこともしばしば。
けれど、曖昧な思いを残したまま、使わなくなった数々のモノを家の中に「死蔵」させることにも意味がないような気がします。 実は「捨てたい!」。
この号では、そんな心の声に耳を傾けることから始めます。 巻頭ページでは、「断捨離」の生みの親、やましたひでこさんと、「実家じまい」を完了させたタレントの松本明子さんにご登場いただきました。
松本さんはもともと「捨てられない性格」なのだそう。香川のご実家(空き家)の維持に25年、1800万円もの費用がかかったという苦い経験をもとに、片付けのプロと本音で向き合ってもらいました。
「住まいの中の使わないガラクタを、私は“生活の残骸”と申し上げているんです」と、やましたさんの先制パンチ!?から対談はスタート。カビが生えているものは“ミイラ”、腐ったものは“腐乱死体”のようなもの、という強烈な言葉に、松本さんも絶句。
そんな中、松本さんが小学校時代に使っていた「リコーダー(縦笛)と彫刻刀」を東京に持って帰ってきた、というエピソードにはスタッフ一同も大爆笑。
「ご実家からまた使わないゴミを持って帰ってきたのと一緒ですよ」と、やましたさん。 そのモノだけを見るのではなくて、自分とモノとの関係を見ることが大事、とのこと。時間の経過とともにモノとの関係は変わってゆく。でもそれに気がつかないから、「リコーダーと彫刻刀」は残っているんですよ、と。