江戸切子、どぜうなべ、舟遊び…粋で美味、江戸文化に触れる東京の秋。
撮影・岩本慶三 文・小沢緑子
古き良き江戸の文化や情緒を感じられる場所は今でも東京のあちこちに。着物愛好家で上方舞・吉村流の名取としての顔をもつ、イラストレーター・平松昭子さんと共に訪ねた。
「着物は稽古にはもちろん、展覧会やちょっとしたお呼ばれのときも着ますが、外出する機会も少なくなっていたので、今日は楽しみでした」
秋らしい着物の装いで、日本橋では江戸切子の製作体験、浅草ではどじょう料理専門店で江戸の味を堪能。
「どちらも初めての経験でワクワク。海外から友人が訪ねてきたら、こんな場所を案内してあげたいです」
江戸切子[ 新日本橋]江戸切子の店 華硝(はなしょう) 日本橋店
●ぐい呑みに切り目を刻む体験。柄が表れる瞬間に胸がときめく。
江戸時代の末期に日本橋で誕生した江戸切子。色被(いろき)せガラスの表面を刻む技法で、シャープで繊細な輝きを放つのが持ち味。
国賓への贈呈品に選定されるほど、美しい切子を作リ出している『江戸切子の店 華硝』。日本橋店では、ぐい呑みに切り目模様を刻む体験コースがある。伝統的な紋様についてのレクチャー付き。
東京都中央区日本橋本町3・6・5
TEL.03・6661・2781
営業時間:10時30分〜17時 土曜・祝日11時〜17時
日曜休
〈江戸切子体験コース〉は11時〜15時。1回60分5,500円〜。予約は電話またはHP(https://www.edokiriko.co.jp)から。
どぜうなべ[浅草]駒形どぜう 浅草本店
●江戸っ子のスタミナ源、どじょう料理店の味に舌鼓。
厳選したどじょうに酒をかけて酔わせ、独自の下ごしらえを施して提供するのが、浅草にある『駒形どぜう』のどぜうなべ(どじょう鍋)。創業は享和元年(1801年)。
頭から尾まで丸ごと食べるどぜうなべは当時から栄養満点、江戸っ子のスタミナ源として親しまれていたという。その味を代々受け継ぎ、今も守り続けている。
東京都台東区駒形1・7・12
TEL.03・3842・4001
営業時間:11時〜20時30分(L.O.20時)
不定休
どぜうなべ2,200円、どぜうなべ定食3,600円。柳川なべ、どぜう汁も人気。