東京には自然がないと思われがちですが、コンクリートは石灰石の化学変化と聞くし、ガラスは珪石、鉄は鉄鉱石、アスファルトは化石燃料系と、天然由来です。
首都高はすごく錆びているところがあり、地下鉄の水がこれでもかと湧き出ていて、自然に戻ろうとしているようにも見え、そう考えると東京は巨大な岩場のようです。
完全な私の思い込みですが、そういう岩場みたいなところで生活したり仕事したりしている。最近東京をそう見ています。
そんな中にあって東京に暮らすおもしろさはいろいろありますが、世界の都市と比較して特にすごいのは、食だと思います。
たとえば、フレンチ、イタリアン、中華、焼き鳥、そば、ラーメン、おでん、カレー、オムライス、肉、サンドウィッチ、ケーキ、パフェ、珈琲……もちろん和食。
東京の食の豊かさを換言すると、食で季節を感じられるということ。そして東京には、遊ぶように仕事をしている人々が大勢いますが、そのような人々が上記のような食の現場で「打ち合わせ」をしている。そこにはイメージの広がりがあり、それが「東京」に暮らすおもしろさのひとつに繫がっていると思います。
コロナ禍で大打撃を受けた街や店舗、施設は多いと思います。でもこの間、考え方を変えて、力を温存させた人々がいるのも確かなこと。
今後、そこから新しい何かが生まれてきそうな気配をあちらこちらで感じます。蓄えたエネルギーを爆発させる時期にさしかかってきているように思います。