そもそもきんぴらとはどんな料理なのか? 料理家、今井亮さんによると
「食感のよい食材を使った炒め物、一言で言うならそうなると思います。代表的なのはゴボウですが、定番の甘辛い味だけでなく自由に考えると、きんぴら料理はもっと応用が利くはずです」
応用するためには基本のきんぴらをまず押さえておきたい。食感命、のこの料理には3つの秘訣があるという。
「まずはゴボウの切り方です。初めから細切りにするのではなく、まず斜めに薄切りにしてゴボウの繊維を断ち切ってから、それを細切りにします。こうすることで程よい硬さを残しながらも、食べやすい歯ざわりになります」
炒め料理は余分な水分の飛ばし方もポイントになる。
「炒める前の水洗いはさっと済ませて、余分な水気はキッチンペーパーで押さえましょう。炒める時は、水分がしっかり飛ぶまで加熱することも大切です。これをしないと、炒め料理ではなく煮る料理になってしまいます」
そうなってしまうと、きんぴら特有の香ばしさや焼き色が出ない。案外やってしまいがちなので、ぜひとも気をつけたい点。
「余計な水分は保存をする際の腐敗のもと。それがないきんぴらは、だからこそ作り置きの定番と言えるでしょう」
応用編は醤油ベースだけではなく、塩味、みそ味、カレー味、さらには……。
「ゴボウ以外の野菜でもおいしく作れるものを考えましたので、きんぴらの無限大の魅力を味わってみてください」