くらし

中園ミホさんの模様替えルポ。いつでもスッキリ、片づいて。自然光が部屋中に巡る家を実現。

運気の巡りに合わせて3年かかった模様替えが、ついに完成。「家が愛おしい」と心から思い、これまで苦手だった片づけも進んでするように。
  • 撮影・三東サイ 文・田村幸子 ヘア&メイク・三上宏幸

家に愛着がわいたら、片づけも苦にならない。

「さあ、どうぞ。模様替えをしてから、人を招くのが楽しみになって、打ち合わせもここでするようになりました」

中園ミホさんが笑顔で迎えてくれた。きっかけは3年前。同じマンションに空室が出て、その部屋に20代の息子が引っ越した。ひとり暮らしをするならと、メゾネットタイプの1階部分を模様替えすることを思い立つ。

「私はものを捨てるのも、片づけも苦手。いつもやりかけては挫折する。それならいっそ、プロの手を借りて新しいイメージに模様替えをしたらどうだろう、と考えたのです。さっそく知人の紹介で、建築家の古市久美子さんとお会いしました」

占い師でもある中園さん。12年周期で運気が変わる四柱推命を基本に独自の占いをしているが、この年は、12年間で最も運気の良い〈極楽〉(詳しくは中園さんの著書『相性で運命が変わる 福寿縁うらない』を参照)。思うように物事が進むときでもあり、階段と洗面所をさっそく改装したが、翌年は仕事が次々と舞い込んで模様替えどころではなくなり、計画を中断することに。

「〈極楽〉の翌年は〈餓鬼〉といって、物事が停滞する時期なんです。いま思えば、そのせいだったのかも」

翌2021年は〈回帰〉の年で、やり残したことを挽回するといいとされる。中断していた模様替えのことが頭をよぎり、このタイミングしかないと再開を決めた。

「最初は美術家の篠田桃紅(とうこう)さんの家に憧れて、仄暗い雰囲気と土っぽい漆喰壁がいいと、古市さんに伝えていたんです。でも気持ちが変わり、どうしたらいいのかわからなくなりました」

2年のうちに世界的なパンデミックになり、生活も一変する。もう仄暗い部屋には惹かれなくなっていた。

「明るくて居心地のいい部屋にしたい」と希望を伝えたら、古市さんから、南窓全面をカーテンでなく障子にしたらどうかと提案された。直射日光を空間に拡散させることができ、ぐんと明るくなる。和風になりすぎないように、デザインはモダンなものにした。

「障子と本漆喰の壁だけでは、旅館の客室のようで遊び心がなくて。古市さんがアンティークの扉や引き戸を提案してくれたので、さっそく古建具店に行きました。すぐに一目惚れのものに出合ったのですが、帰宅して冷静になると、占い師としては、古道具には人の念がこもっているかもと気になってしまい。普段は決断も早いのですが、慣れない家のことは本当に迷いましたね。結局は選んで正解でした」

ステンドグラスの扉は入り口に、格子戸は奥の小部屋との間仕切りにした。

「呼吸する家」は、住む人にも心地よくて、よい気が巡る。

当初、壁はクロス張りを予定していたが、漆喰愛好家の友人に説得されて本漆喰に興味を持った。本漆喰を手がける職人は数少なく稀少な技法だが、「自然光にやわらかく包まれる」と聞き、変更した。ウレタンの床は、国産無垢のフローリングに。カーテンをつけていた南側の窓辺は強化障子にした。

「本漆喰の壁も無垢の床も『部屋が呼吸する』という古市さんの勧めで決めましたが、空気がおいしく感じます」

 中園さんの要望を叶えてくれたのは、LIUKOBOを率いる大工の劉功眞(りゅうこうしん)さん。二転三転する中園さんの提案にも、辛抱強くつきあってくれた。

「特に作りつけの仏壇棚は、細かい高さの注文にも完璧に応えてくれて感謝しています。施主の私が決めることが無数にあり、頭を抱えましたが、古市さんや劉さんが私の心が決まるまで待ってくれて」

最終的に自分で決めたから、満足いく仕上がりになったという。

「朝の光がほんとうに気持ちよくて、夜型の私が早起きになりました。明かりを灯す夜もまた素敵なんです。あまりに気持ちがいいので、そのうち小部屋を寝室にしようかと思っています」

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