DIY名人に習う、椅子のリメイクと壁の塗替え。
撮影・黒川ひろみ
〈 座面の張り替え 〉
家の造作だけでなく、家具の再生も得意な片岡さん。特に多くこなすのが、椅子のリメイク。古いものを無料や格安で手に入れて、コンディションに応じて修復する。初心者でも比較的簡単にできる座面の張り替え方を教えてもらった。
中古品として譲り受けたダイニングチェアも、見事生まれ変わった。背部分の木が傷んでいる場合はやすりがけすることも。
材料は表地と裏地の布のみ(中綿がへたっている椅子の場合は、ウレタンマットも用意)。道具はタッカー(ステープラーの針や鋲打ちの工具)、ドライバー、ペンチ、ハサミ、目打ち、ハンマーなど。
(1)古い椅子から座面を外し、布地を剥がす。木工用の頑丈な針でつけられていることが多いので、ペンチやドライバーを使う。
(2)座面に表地用の布を当て、折り返し部分も含めて座面より大きめにカットする。「いつも割と大雑把に切ってます(笑)」
(3)裏返し、表地を強く引っ張りながらタッカーで留めていく。隠れる部分なので、見た目は気にせず。角の部分はヒダを作り丁寧に。
(4)留めた箇所から余分にはみ出した布を切る。角の部分は特に布がたまるので、裏地を張るときもたつかないように。
(5)裏地用の布を座面より少し小さめにカットし、表地を留めた箇所より外側をタッカーで留める。脚のネジ位置は目打ちでマーク。
(6)仕上げに、留めた針をハンマーで叩いてしっかり定着させる。座面を椅子の本体に戻したら完成!
〈 壁の塗り替え 〉
古い家屋は壁が汚れていたり、今の気分にそぐわない色だったりすることが多い。壁の塗り替えは面積が広い分、印象もガラリと変わるのでおすすめだ。大事なのは扱いやすい塗料を選ぶことと、養生。
「養生ができたら8割方済んだも同然」(片岡さん)
元は和室らしい渋い草色の壁だったのが、雰囲気ある質感の珪藻土の白壁へと一気に垢抜けた。
用意するのは、塗料、アク・シミ止めなどの下地処理剤。おすすめの道具は、ローラー、バケツ、刷毛、軍手、マスキングテープ、マスカー(マスキングテープ付き養生シート)。
(1)まずはひたすら養生作業。塗装したくない場所をマスキングテープやマスカーで保護。その後下地を塗る。
(2)細かい部分を刷毛で塗る。「あまり力強く塗るとマスキングテープの隙間から染み込んでしまうので注意」
(3)広い部分をローラーで塗っていく。1度目はラフに、やや透けるくらいでいい。塗ったらひと休み。
(4)2度塗りすると、ムラなくきれいに仕上がる。「塗り方や乾かす時間などは商品説明を読んでそのとおりに」
『クロワッサン』1046号より
広告