最も危険なキッチンを、防災士がチェック!どう改善すべき?
片づけが必要なのは、家の中でのケガや事故を防ぎ、災害用備蓄スペースを確保するため。それは家族の命を守ることに直結します。さあ、今すぐ行動を。
撮影・上山知代子 文・一澤ひらり イラストレーション・小林マキ
吊り戸棚には重いものを置かないのが鉄則。
Before
●NG1
ステンレスの粉つぎが最上段に
●NG2
奥のものが取り出しにくい
After
●改善ポイント1(A)
最上段は使用頻度の低い軽いものを。
●改善ポイント2(B)
収納ケースで取り出しやすく。
「吊り戸棚には軽いもの」と肝に銘じる。ステンレスの粉つぎは足元の収納に。毎日欠かせない紅茶、コーヒー、日本茶などはストッカーやケースに分類し、取り出しやすくした。
大型冷蔵庫は倒れないように必ず固定する。
Before
●NG1
重いサーキュレーターが頭上にある
●NG2
冷蔵庫の転倒防止がされていない
After
●改善ポイント1
耐震ジェルマット装着。
冷蔵庫の上に置いたサーキュレーターは地震で落ちたら、頭を直撃する危険も。「震度7相当にも耐える耐震ジェルマットを底面に貼れば、落下を防いで安全です」(熊田さん)
●改善ポイント2
天面2カ所に転倒防止対策。
冷蔵庫は倒れると被害甚大。転倒防止器具でしっかりと固定する。貼るだけなので設置は簡単、震度7相当の激しい揺れにも対応する。
すき間を利用したラックなら転倒の心配なし。
Before
●NG
調味料が分散している
冷蔵庫脇のすき間に入る幅の狭いラックには、調味料や酒の瓶が無秩序に入り交じり、食用油の缶もあるなど、雑然とした状態。
After
ここは酒の保管場所と決め、吊り戸棚に置いてあったワインなどを移動。調味料はシンク下の収納へ。同じ種類のものは同じ場所に。
スチールラックはモノが落ちてくる危険大。
Before
●NG1
すり鉢が最上段に
●NG2
オーブントースターの位置が危険
●NG3
防火グッズの準備がない
●NG1
梅干しの保存瓶が落ちてきそう
After
スチールラックに置いてあるものは地震で落下は免れない。重いすり鉢や保存瓶は引き出しへ、トースターは最下段に移動。収納場所を変えることで、ラック自体が不要に。
●改善ポイント1
コードをラックに巻き付け落下防止。
炊飯器とトースターなどの小型家電はコードをラックに巻き付けてからコンセントに差し込めば、ラックが倒れない限り落下しない。
●改善ポイント2
電子レンジにも飛び出し防止。
大地震では電子レンジは飛ぶ凶器になりやすく、転倒防止ストラップで防止した。バックル式なので、ベルトを外せば移動や掃除が簡単。
●改善ポイント3
重い保存瓶は低い場所へ。
保存容器などの重い瓶類はラックに置くと地震で落下し、ガラスが割れて飛び散る恐れが大きい。足元に収納するのが賢明だ。
●改善ポイント4
防火グッズを常備する。
消火器がなかった上山さん宅。防火対策のため、炎に被せれば消火できるファイヤーブランケットを設置。使用期限がないので心強い。
●改善ポイント5
ラック2カ所に転倒防止ストラップ。
ラックは地震で簡単に倒れてしまうので、ストラップで両サイドを固定する。さらに棚のものが落ちやすいので落下防止対策は必須。
『クロワッサン』1041号より