くらし

最も危険なキッチンを、防災士がチェック!どう改善すべき?

頻発する自然災害から身を守るには、日頃から「知る・片づける・備える」意識が大切と防災士・整理収納アドバイザーの熊田さん。
片づけが必要なのは、家の中でのケガや事故を防ぎ、災害用備蓄スペースを確保するため。それは家族の命を守ることに直結します。さあ、今すぐ行動を。
  • 撮影・上山知代子 文・一澤ひらり イラストレーション・小林マキ
今回防災片づけを行った上山さん宅は3LDKのテラス付きマンションで、2年前に購入。 家族3人暮らしで左から知代子さん、6歳になる息子の薫至くん、夫の弘明さん。

写真家・上山知代子さんの住まいは、地下1階と地上フロアで構成されるメゾネットタイプのマンション。すっきりと片づいてはいるが、防災の手立てはほとんどしていないという。そんな現状を熊田明美さんがチェックした。

「大地震が起きたらかなり危険ですね。冷蔵庫や本棚など転倒防止対策をしていないし、割れやすいものが高い所に置いてあります。災害が起きたら転倒物や落下物でケガをしたり、通路が塞がれてしまうんです。停電時に自動点灯する明かりもないし、衛生用品、食料などの備蓄品も少ないですね」

防災対策の基本のキは家の中がきちんと片づいていること。

「災害時は気持ちが動転してパニックになりやすく、モノが散乱した室内はとても危険です。普段から家の中が片づいていればリスクを軽減できて、必要なものをすぐに取り出せます。不要なものを減らせば、命をつなぐために必要な水や食料などの備蓄スペースも確保できるんです。自然災害はいまや切実な問題。日頃の備えが大切ですね」

実際にどんな点に気をつけて、対策を施すべきなのか、見ていこう。

【キッチン】最も危険なエリア。 落ちてこない、飛び出ない対策を。

シンク周りはモノを置かずにすっきりと。

Before

●NG1
重いまな板が不安定なS字フックで吊られている

●NG2
換気扇の上に食材を入れたかごが

●NG3
調味料の瓶などが吊り下げられている

●NG4
包丁が出しっぱなし

◎OK
全体にモノが少ない

After

落下しやすい換気扇の上のかごは、中の食材を収納棚に、吊り下げられた調味料はコンロ下の収納に、包丁はシンク下の専用ケースに移動。まな板とキッチンペーパー、ザルだけを残し、清々しいキッチンに。

●改善ポイント1
ロック式のS字フックに。

S字フックでもロック式なら外れる心配がない。「引っ掛ける部分を壁側に向けておけば、こちらには飛んできません」

●改善ポイント2
包丁は引き出し内の専用収納に。

大地震では包丁も宙を飛ぶ。命の危険につながるので出しっぱなし厳禁。シンク下などの、安全な包丁ケースに収めよう。

吊り戸棚を整理して防災備蓄スペースを確保。

Before

●NG1
スペースに無駄がある

●NG2
高い場所に土鍋がむき出し

●NG3
瓶、缶詰類は落下したら危険!

After

●改善ポイント1(A)
整理した上段に備蓄品を収納。

●改善ポイント2(B)
収納ケースを活用してカテゴリー分け。

土鍋や瓶、缶詰はすべてシンク下に移動。空いた上段には災害時に活躍するキッチンペーパーやレトルト食品などを備蓄。中・下段には日常使いの乾物などを分類して収めた。

●改善ポイント3
土鍋を足元の引き出しに移動。

出番の少ない土鍋は吊り戸棚の上段に置かれていたが、落下する心配のない場所に収めたほうが安全。重いものは必ず下に収納しよう。

●改善ポイント4
調味料を1カ所に集めて使いやすく。

あちこちに置いてあった調味料をまとめれば一目瞭然。瓶類、缶に入った油も低く収納し、棚から転げ落ちるリスクを解消した。

●改善ポイント5
皿は立てて収納し、スペースを確保。

平置きにすると取り出しにくい皿は「仕切りスタンドを利用して立てて収納。枚数も稼げて必要なものがすぐ取り出せ、省スペースにも」

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