”縦収納”や“定位置決め”で、使いやすく美しい冷蔵庫になる。
撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり
冷蔵庫はスタイリング次第。見やすく、使いやすく、戻しやすく。
15年間使用している冷蔵庫だが、収納はけっこうアバウトというクロワッサン倶楽部メンバーの杉山玲美さん。冷蔵庫の扉を開けた福田さんの第一声。
「お料理好きだけあって調味料がたくさんありますね。でもドアポケットだけでなく、正面に置いたり、分散しています。同じ種類のものは同じ場所に置く。それだけで使い残しが減ります。グループ分けしてトレイやケースにまとめれば、きちんと整理できますよ」
そんなアドバイスを受けて、杉山さんは冷蔵室の整理に取りかかった。
「今までトレイは使ったことがなかったんですけど、引き出せて便利です。出番の少ない粉ものは袋のまま最上段に置いていましたが、深型のケースにまとめると見た目もきれいですね」
感心しきりの杉山さんをさらに力づけたのは、次のような福田さんの言葉。
「杉山さんは右ドアポケットの下段にかつお節や昆布、ごまなどを入れています。本来は飲料や大きめのものを入れる場所ですが、冷蔵庫が調理台の斜め後ろにあるので、振り向いて冷蔵庫を開ければすぐ手に取れる。このほうが動線にかなっているんですよね」
セオリーどおりでなくても自分にとって使いやすいことが一番、と福田さん。最も困っているのはフリーザーの整理という杉山さんのお悩みに答えて、
「冷凍室は上から見渡せる縦収納が基本ですが、使って量が減ると倒れてしまうので、活用したいのがブックエンド。冷凍食品を整然と並べられます」
有効な助言を得て冷蔵庫がスッキリ美人に変貌し、杉山さんは大喜び。
「食材を考えて適材適所に収納し、ひと工夫すれば見やすくなるんですね。この状態をキープしたいと思います」
【Before】
センター
グループ分けして整理された庫内。上段は粉ものや料理酒ストック、中段は頻繁に使うヨーグルト、納豆などの食品をトレイに収納。下段は卵や牛乳、いただきものや使いかけのものを。
ドアポケットのスープやお粥、カレーなどのレトルト食品はケースに入れてセンターに。
ヨーグルトや納豆パック、常備菜は同じサイズの容器に移し替えて、トレイに。
ピクルスやペーストなどの瓶詰はトレイにまとめれば、奥のものも楽に出し入れできる。
右ポケット
上段と中段はレトルト食品やかき氷シロップなどがごちゃっと詰め込まれていたが、調味料以外はセンターへ移動。
下段には料理用ワインや開封済みの乾物やごまなどを収納。
左ポケット
調味料をまとめ、上段にはおろしにんにく、かぼすこしょう、中段にはオイスターソースやチリソースなど。下段は大きいチューブ類や野菜ジュースなどの飲料を収めた。
100円ショップで購入できるドアポケット用の仕切りを使い、中身を出しやすいよう逆さに収納。
冷凍室
冷凍食品は横置き厳禁。「重ねてしまうと下に何が入っているのかわからなくなり、死蔵されがちです。立てて収納すれば俯瞰できて、必要なものがすぐ取り出せます」(福田さん)
すき間があっても、ブックエンドを使えば冷凍食品の縦置きをキープできる。
野菜室・上段
上段は調理で残った野菜を保存するのに最適。使いかけ野菜の専用保存容器(商品名/ツインズ・ナノシルバーネオ抗菌密閉容器 すのこ付)に入れれば、鮮度が保たれる。
使いかけの生姜は水に浸けて保存すれば傷みにくく、使うたびに水を替えれば持ちがいい。
野菜室・下段
「野菜は買ってきた袋のまま、重ねずに全て見えるように収納します。葉物野菜や根菜は立てて保存すると日持ちがよく、ケースに収納すれば倒れる心配がありません」
100円ショップで入手できる冷蔵庫用野菜ストッカーを使えば、人参も縦収納で長持ちする。
『クロワッサン』1040号より