”縦収納”や“定位置決め”で、使いやすく美しい冷蔵庫になる。
撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり
■冷蔵庫収納で心がける3カ条
1.食材の定位置を決める。
2.庫内でグループ分けしてトレイにまとめる。
3.野菜室と冷凍室は“縦収納”に。
食品ロスをなくし、スムーズに調理できて、食生活にゆとりをもたらす。そのカギを握るのは冷蔵庫。
「一番大切なことは冷蔵庫内のどこに何がどれだけあるかが一目瞭然で、使いやすいかどうかです。そこをクリアできれば放置されがちな食材がなくなって、食費のムダ遣いも抑えられます」
と指南するのは、整理収納の行き届いた冷蔵庫を“美人冷蔵庫”と名付け、収納の極意を伝授する福田かずみさん。
「第一歩は、庫内に常時ある定番食材の定位置を決めて、必ずそこに戻すことです。次に賞味期限が短いか長いか、同類の食材かなどとグループ分けしてトレイやケースに収納し、区画整理すると使いやすくなります」
冷蔵庫の奥まった場所は食品が行方不明になりがちで秘境化しやすいが、これならスッキリと見渡せる。
「ことに野菜室や冷凍室は重ねて保存すると、下に埋もれた食品を忘れてしまいがちです。上から見渡せるように縦置きにして収納するのが鉄則です」
福田家の冷蔵庫はご覧のようにスッキリ。
100円ショップのトレイやブックエンドなどを活用。
定位置を決めるのが基本のルール。トレイを活用してスマートに。
「冷蔵室の理想の収納率は冷気の循環を考えると7割まで。それに対して冷凍室は凍った食材同士が冷やし合うため10割収納が保冷力を高めるんです」
と説明する福田さんに、クロワッサン倶楽部メンバーの島津仁美さんが悩みを伝える。
「深く考えないで買ってきたものをとりあえず入れてしまうので、何がどこに入っているか、把握できないんです」
2年前に買い替えたという冷蔵庫を、早速チェックした福田さん。
「同じ種類の食品があっちこっちバラバラに置いてありますよね。冷蔵庫収納の原則はグループ分けと、定位置を決めること。すぐ目に入る棚には、納豆、豆腐のようによく食べる定番品を入れるなど、定位置をキープしましょう。小分けにできるものは浅型のトレイに入れれば、すぐ取り出せますよ」
上段は長期保存できるもの、中段は日常的に食べるもののゴールデンゾーン、というように使用頻度別に食材を保存する場所をルール化すると、家族も戻しやすく、散らからなくなるという。
「下段にはカレーや味噌汁など鍋ごと保存できる程度の“ゆとりのスペース”を作りましょう。一時置きしたり、自由に使えるスペースも必要なんです」
福田さんの助言に力を得て、島津さんは冷蔵庫の整理収納を終えた。
「定位置を決めたら空間に余白ができて、奥まで見渡せるようになりました。佃煮パックなどは積み上げて崩れがちでしたが、トレイに入れると安定して奥のものも手に取りやすいですね」
【Before】
センター
理想的な7割収納を実現。上段はペットボトル、牛乳ストックなど。中段は日々使う味噌やヨーグルト、トレイには豆腐など。下段はケースに収めた美容ドリンク程度にし、スペースを確保。
毎日食べている惣菜のパックはサイズが揃っているので、トレイにぴったり収まった。
散在していた化粧品はひとまとめにし、目隠しにもなる深型ケースに収納して最上段に。
右ポケット
よく使う調味料は中段のポケットに。ケチャップはドアポケット用の仕切りを活用し、下段のチューブ類は薬味チューブホルダーで固定。いずれも100円ショップで入手した。
左ポケット
上段に保管されていた化粧品はセンターに移動し、空いたスペースには中華調味料を収めた。
中段には料理酒やみりんなど、下段には飲料用の酢や水など背の高い紙パックやボトルを収納。
チルド室
上段にはチーズやハム、ちくわなどがごちゃ混ぜに入っていた。「でも食材ごとにきちんと分け、置き場所を決めて揃えておけば、ぐっと取り出しやすくなります」
冷凍室・上段
保冷まくらやパン、ロールケーキ、美容パックなどが見るからに雑然と。「上段は浅いので細々としたものを入れがちですが、カテゴリーに分けて収めれば使いやすくなります」
冷凍室・下段
立てて収納しているが、つい突っ込みがちに。「冷凍室の収納はすき間なくぴっちり入れるとよく冷やされます。上から見て何が入っているかわかるようにするのがポイントです」
野菜室・上段
浅い上段は入りそうなサイズの野菜を適当に入れがちだった。「ここにはミニトマトやアボカド、キノコといった小ぶりのものや、使いかけの野菜を保存するようにしましょう」
野菜室・下段
深さはあるのだが、白菜も人参も大根も横に寝かせて入れていた。「野菜は畑にあるのと同じ姿で保存するとよいといわれていて、葉物野菜や根菜は立てて収納すれば長持ちします」
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