桐島かれんさんの部屋づくりアイデア。新居は緑と光と、好きなものに囲まれて。
撮影・白石和弘 文・一澤ひらり 衣装協力・ハウス オブ ロータス
全ての部屋に花と緑を。どこにいても癒やされます。
キッチン脇のスペースは陽が射し込み、柔らかい木漏れ日が降り注ぐ。
「もともとはメイドルームだったみたいですが、とても気持ちのいい場所なので、ここで朝食を食べられたらいいなと思って、窓辺に置くベンチをオーダーしているところです」
と話しながら、テーブルの上でユリとドウダンツツジを生ける桐島さん。
「窓辺の若葉は私が植えたアボカドです。今年食べたアボカドの種を水耕栽培で育ててみたら芽が出てきて、さらにそこから葉っぱも出てきて。残念ながら実はならないみたいですけれど、育っていくのを見るのが楽しいですね」
新たなアボカドの種も水耕栽培用のグラスに入れて窓辺に並べ、まるでオブジェのように可愛らしい。
「花と緑のない生活は考えられないし、花を生けるのは小さな創作活動なんです。インテリアのアクセントになりますし、気持ちが落ち着きますよね。30年近く育てている観葉植物も元気で、いま30鉢以上はあります。霧吹きとジョウロと花ばさみを持って、いつも家の中をウロウロしています(笑)」
バスルームやトイレなどモノトーンな場所にも花が飾られていて、心を和ませる。
「バスルームはクリーンな空間にしたかったので、床と壁はキッチンの壁と同じ白い大理石にしました。ランのような凛とした花が映えますね」
大きめでゆったり入れるバスタブはフランス製だ。大理石と同様に、夫が選び抜いたこだわりの逸品。
「写真家の夫は自分の美意識にかなったものを使いたいので妥協をしません。だから意匠を凝らした美しいものが、家にはたくさんあります。結婚生活も27年になると家の中は夫と私の感性がうまくミックスされてきている感じです。でも自分が飾ったものが違う場所にあったり、インテリアでの静かな攻防戦はあるんですけどね(笑)」
まだ住み始めて間もない家。落ち着くのは当分先になりそうだけれど。
「ここは建てた家ではなく、人様から譲り受けた家だから、自分たちらしく手を入れて慈しんでいきたいです」
家は育てるもの。日々の暮らしを大切にして、愛しきわが家を作っていく。
桐島かれん(きりしま・かれん)さん●モデル。1964年、神奈川県生まれ。ライフクラフトブランド「ハウス オブ ロータス」クリエイティブディレクターとして活躍中。
『クロワッサン』1030号より
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