これまで30回以上、引っ越しをしてきた桐島さん。昔の愛読書は住宅情報雑誌だったというほどの家好き、引っ越し好き。子どもの頃に母で作家の桐島洋子さんに連れられてあちこち旅をし、移り住んだ体験が大きいという。
「根なし草の母の血を引いているのか、一人暮らしを始めてからも毎年引っ越しをしていましたね。結婚するまでに25回ぐらいしたかな。夫は真逆で、すごくストレスになるみたい(笑)。私は旅も大好きで、引っ越しは旅に似ていて身軽になれるのが爽快なんです。住まいで苦手なものを外していくと、行き着く先は、ヴィンテージマンションや木枠の窓があるようなレトロな雰囲気の建物になっていきます」
結婚後、神奈川県の葉山と東京の元麻布に暮らしたが、どちらも築80年の洋館と日本家屋が連なる和洋折衷の趣のある古い家だった。
「昔の家は良質な建材を使って、丁寧に作られていました。だから大切にしようと思えたし、子どもが生まれてからの12年間は子育て中心だったので、家を整えるのが大きな喜びでした」