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【和田裕美のお悩み相談】転職したばかりですが、成功体験の少なさを思い知らされる日々です。

外資系教育会社でのフルコミッション営業で世界142カ国中第2位の成績を収めたキャリアを持つ和田裕美さんが読者の悩みに答える連載。今回は転職先で思ったように活躍できず悩む、20代の男性からの相談です。

<お悩み>
昨年、新卒から5年勤めた会社を辞め、マスコミ業界に転職しました。転職をした理由は学生の頃から憧れていた業界でチャレンジしてみたいと思ったことが大きいです。
思いきって転職をしたところまではよかったのですが、成功体験や引き出しの少なさを思い知らされる毎日で、気づくと業務に対して保守的な考え方をしてしまっています。本当はもっと攻めた提案をして会社に貢献できるようになりたいのですが……。
周りには個性が強い同世代の社員がたくさん。情けない話ですが、会社を辞めるという選択肢がチラつくこともときどきあります。 和田さんはお仕事で大きな成果を残していらっしゃいますが、仕事で活躍するために心がけていることはありますか。 (ねじ式/男性/20代)

和田裕美さんの回答

ねじ式さん、質問ありがとうございます。
何より好きな仕事に転職できてよかったです。

まずですね、好きな仕事・やりたい仕事として転職した場合
自分に対する期待値が非常に高いんですね。けれど
こうなりたいとかああなりたいという思いが強ければ強いほど
今の自分の実力とのギャップは感じてしまいます。

イメージとしては、ここは飛べそうだなと思ったのに
やってみたら意外としんどかったみたいな感じで、
これがまさに自信喪失のパターンです。

会社を辞める選択枠がちらついていると書いてありますが
まずはもうちょいがんばってみませんか?
第一に、自分の仕事に対しての成功体験の少なさ、引き出しの少なさは
今まで違う仕事をしていたのだから
他の人より少ないのは当たり前じゃないですか?
だからいま何をやっているかというと
伸びしろを伸ばしている時期なのです。
向いてないとか、仕事ができないではなくて
慣れていない、知らない、経験値が足りない、
これらを埋める時期ということ。そして
逆にこの埋める作業をしないと
同じ悩みを抱え続けると思います。

思い切って転職をして、採用されたというのは
せっかくのチャンスをつかんだってことじゃないですか。
自分では攻めた提案をしたいとか
他の人はもっと活躍している、どうしようどうしよう?
とか思うかもしれませんが
目の前のことを焦らずに
愚直にコツコツとやる時期だって必要です。
成功体験というものは焦っても作れません。

私の知り合いで、大手広告代理店を独立し、
今すごく活躍している人がいるんですけど
新卒で入社してからずっと成功体験がなくて
周りの人を見て焦っていたそうなんです。
それが40代になっていきなり賞を取ることができて開花したのです。
こんなふうに遅咲きの花もあるんです。
焦って、可能性の芽をむしってしまっては
自分がかわいそうです。

とにかく
一生懸命、丁寧でいい仕事をするということを心がけていくと
おのずと結果が出ると私は思います。

和田裕美(わだひろみ)●作家・営業コンサルタント。京都生まれ。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。書籍だけでなくラジオや会員サービス「パワースクール」など各種メディアで情報発信中。代表作に、『人に好かれる話し方』、『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『人生を好転させる「新・陽転思考」』等。新刊に『稼げる技術』(ダイヤモンド社)、『タカラモノ』(双葉文庫)など。
⇒ 公式サイト

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