冬の名物、寒ブリを食べに氷見へ。太ったブリが獲れるようになると、地元の漁協は“ひみ寒ぶり宣言”を出す。
「水揚げされた、一匹、一匹に認証番号の札が与えられるんです」(『ばんや料理ひみ浜』店主・宮川暢充さん)。
ところで、海岸沿いを氷見に向かう電車では、ぜひ雨晴駅で途中下車しよう。晴れていれば、海と山の織りなす絶景、というより奇観を見ることができるから。海の水平線の向こうが空ではない、なぜ連峰が……。
で、氷見である。『ひみ漁港場外市場ひみ番屋街』で鮮魚店やおみやげ店をのぞいたら、いよいよ、お目当てをいただきに。前出の『ばんや料理ひみ浜』は先代が漁師でもあった有名店だ。
「寒ぶり宣言には6キロ以上の個体という基準がありますが、うちは基本10キロ以上しか扱いません」
と宮川さんは胸を張る。
「氷見一番のブリはウチにあります」と強気の発言も、なるほどこちらのぶりしゃぶを食べると、天然の脂の甘味にそれまでのブリ観が覆される!
さてさて、水平線の向こうに山がそびえているのは地形「湾」であるからだが、しかしカメラに写った岬の突端(上写真2枚目)は、よくよく見れば海から浮いてない? やはり、奇観か……。