川べりに連なる古民家。両岸に係留された釣り船。日本海の寒空を映す川面。近頃では映画やドラマのロケに使われることが多い、この内川エリア。
「町にあまり人がいないのは家で過ごすほうが好きだから。でも、撮影が入るとみなさん外に出てきます」と笑う、『カフェuchikawa六角堂』館長の北原和樹さん。古い畳屋をリノベして六角堂を立ち上げる際、地元の人から「こんなとこにカフェを作ったって売れないよ」と言われた。ミーハーでおせっかい。けれども、面倒見がよい。
「店の様子を見に来ては、『よかったら食べられ』と取れたての柿を持ってきてくれるのも地元の人たちです」
2013年にオープンして8年目を迎える。年々、空き家が増えるこの町の風景を何とか残したい。
「カフェの利用だけではなく、最近は古い家をこういうふうに再生したい、という相談の場にもなっています」
10年、20年先を見据えて、いい手本でありたい、と北原さんは思っている。