くらし

「ビジンサマレシピ」で作る保存食のレシピ、紫玉ねぎのピクルス

信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山に住んでいると伝えられているビジンサマという神様。そのお膝元である信州から、体に優しい食材を使い、卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を、地産地消料理研究家の中村恭子さんに紹介してもらいます。
  • レシピ提供:中村恭子

私の暮らす信州 蓼科の近くに糸萱という区域があります。この区域には今も「ムロ」という冬季の食料を保存する農家の保管庫があります。その昔、各家々では秋の取り入れが終わる頃になると家の前のムロに白菜、大根、芋、ごぼう、人参などを入れ冬に備えたそうです。

もっともシンプルな保存食は作物をそのままの状態で保管することですが、それだけでなくお漬物、干し野菜にするなどして一年を通して食べ繋ぐ知恵が今も残されているのです。

以下は2018年に茅野市のインターネット動画番組「ビーナネット」で「ムロ」について取材をした時の記事です。

http://www.venusnet-chino.jp/video/gourmet/auvo5k0000000o24.html

さて今回から4回にわたり手軽な保存食レシピ第1弾としてピクルスとその活用法をお伝えしていきます。

レシピ発案の元となったのは、我が家が家族の食事会等で利用させていただいているホテルハイジ フランス料理店のシェフ上原さんからでした。
上原シェフは素材をとても重視していらっしゃる方で生産者さんとの関わりをとても大切にされているだけでなく自らも畑に赴き収穫していらっしゃいます。

お料理はオリジナルの発想でバターを極力使わない繊細で奥深いソースの数々が素晴らしく、素材の引き出し方を熟知しているからこその味わいです。機会があればぜひ訪れて味わってみてください。

https://www.hotelheidi.co.jp/(現在ホテルハイジは改装中で全館休業中です)

そんな上原シェフから、家庭で作っておくと便利な保存食として「ピクルス」をお勧めいただきました。

まずはシンプルなピクルスの作り方、続いてアレンジレシピをお伝えしていきます。

※ピクルスは酢、塩、甘味などの種類やバランスを変えることでお好みに仕上げていきます。長く保存する場合には酸度を上げて作ると良いでしょう。

店舗情報: 

ホテルハイジ「レストランクララ」
〒391-0301 長野県茅野市蓼科高原1-1(茅野市北山4035-1820)
Tel.0266-67-2001  

紫玉ねぎのピクルス

続いては鮮やかなピンク色が美しい紫玉ねぎを使ったピクルスをご紹介します。
切り方は繊維に沿うか逆らうか、または大きさを変えることで食感の変化を楽しむことができます。
 
今回は繊維に逆らった薄切りで歯ごたえのある食感を残し、オーソドックスに粒胡椒と我が家で採れたローリエを風味づけに使いました。お好みのスパイスやハーブで作ってみましょう。

【〈材料〉300ccの保存瓶を使用。】

紫玉ねぎ1個
白ワインビネガー 75cc
水 75cc
甜菜糖(またはメープルシロップ) 大さじ1〜(お好みで)
自然塩 二つまみ
粒胡椒 10粒
ローリエ 1枚

 

【作り方】

1.紫玉ねぎは上下を落とし、縦半分にカットして(芽の部分があれば取り除きます)
2.薄切りにします。
3.自然塩二つまみをよく揉み込んでしばらくおきます。
4.玉ねぎがしんなりしたら、清潔な晒し(さらし)で包み水気を絞ります。(こうすることでビネガー液がよく染み込みます。)
5.次にピクルス液を作ります。鍋に白ワインビネガー、水、甜菜糖を入れて火にかけて沸騰させ甜菜糖が溶かしたら粗熱をとり
6.煮沸消毒した保存瓶に玉ねぎ、粒胡椒、ローリエを入れ 
7.ピクルス液を注ぎ蓋をして
8.一晩おけば完成です。

●「ビジンサマレシピ」について
信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山にはビジンサマという神様が住んでいて「ビジンサマが山を通る日、人は山仕事を休む」という言い伝えが残されています。「休む」ことは、美しく健やかな体づくりに必要なこと。ビジンサマの語源はもしかしたら「美人様」なのかもしれません。

蓼科塾では「休む」神様ビジンサマにちなみ、ビジンサマのお膝元である信州から「休む」ためにふさわしい体に優しい食材を使い卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を提案しています。

信州といえば、麹を使った味噌や甘酒などの発酵食品や、蕎麦、キビ、アワなどの雑穀、山野草にきのこ、リンゴや杏、ぶどうなどのフルーツ、寒天や高野豆腐などの乾物類などなど、美味しくて体に良い食材の宝庫。中には美容・健康効果の高い食用ほおずきといった、あまり流通していない食材もあり、入手方法から調理方法までお伝えしていきます。
「ビジンサマレシピ」で美しく健やかな体づくり、してみませんか?

中村恭子●一般社団法人蓼科塾代表/地産地消料理研究家/健康管理士。 2011年東京都より長野県茅野市に移住し信州の地産地消に根ざした「ビジンサマレシピ」の開発を手がけている。

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