くらし

夫婦の仕事なんですよ、家事というのは――K・Sさん(店舗経営)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、夫婦の家事分担を論じる声から、時代の趨勢を読み取ります。
  • 文・澁川祐子
1978年9月25日号「脱専業主婦入門 64.8%の夫たちが参加しています。家事労働を男・女でどう分担しているか?」より

夫婦の仕事なんですよ、家事というのは――K・Sさん(店舗経営)

夫婦での家事負担の実情を、読者の声をもとに構成。「64.8%の夫たちが家事に参加」というデータは、第一生命が行った「夫婦の円満度調査」をもとにしています。

時代を考慮すると、64.8%という数字はかなり多い印象。しかし、夫が手伝ってもいいと思う家事ベスト3は<戸締り>、<風呂の火をつける>、<買物>と、比較的簡単なことばかり。対してワースト3は<おさんどん(=料理)>、<洗濯>、<食器洗い>と、家事の大きな割合を占めるものが続き、夫がやっている家事の中身はいったいどの程度だろうか、と気になります。

本文を読むと、やはり実態には大きな差があるよう。料理好きで毎晩おかずをつくる夫もいれば、自分の母親が一切家事を仕切っていたから、自分は何もしないのが当然、という夫も。家にいるときはずっとテレビの前で、<飲みものでも食べるものでも、頼めばなんでも女房が持ってきてくれますからね>なんて、いまでは炎上必至では? と思うような発言もあります。

そんななかで、それぞれ店を経営している夫婦の意見が際立っていました。<よく手伝いますね、って人に言われますけど、手伝うっていうのと違うんです>という夫のコメントに続くのが、今回の名言。「家事は妻の仕事で、夫はそれを手伝う」のではなく、そもそも夫婦ふたりの仕事だ、というわけです。

家事を「お手伝い」とサブ的に考えている夫に対し、苛立ちを感じる妻は、現在も多いはず。意識が大きく変わったところもあれば、いまだ変わらないところもあり、固定観念というのは何世代もかけてちょっとずつ変化していくものなのかもしれないと実感するレポートでした。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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