甲状腺ホルモン剤で治療すれば
コレステロール値も正常に
では、甲状腺ホルモンと血液中のコレステロールの量とは、どのような関係にあるのでしょう?
「甲状腺ホルモンが不足すると、体全体の代謝が低下します。当然、脂質代謝も低下するため、血液中のコレステロールや中性脂肪の量が増えていきます。この病気が原因だとすれば、治療法を変えなくてはいけません」と寺内さん。
コレステロール値が高く、脂質異常症の治療を受けているのによくならない場合は、主治医に相談し、内科で血液検査を受けましょう。
血液検査で、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、フリーT3、フリーT4といった項目を調べると、ほぼ診断はつくそうです。
「診断がついたら、抗コレステロール薬を中止し、代わりに甲状腺ホルモン剤を服用します。数カ月から半年程度服用すると、ホルモンが安定し、症状が軽快していきます。血中コレステロール値も正常範囲になっていくと考えられます」(寺内さん)
薬は一生飲み続ける必要がありますが、ホルモン値が安定すれば、薬の量を減らしながら、日常生活が送れるそうです。
甲状腺の病気は、更年期や加齢に伴う症状とも似ているため、見逃さないように注意が必要です。
最後に、甲状腺の病気でよく見られる症状をまとめました。
症状が複数当てはまる場合や治療を受けていても症状が治らない場合には、一度、甲状腺機能検査を受けましょう。