甲状腺機能低下症では
抗コレステロール薬が効かない!?
血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が高い場合、脂質異常症と診断され、食事指導や投薬治療を受けることがあります。医師から処方された抗コレステロール薬を飲んでいるのに一向に効果がなく、体調もあまり良くない……。
このようなケースでは、「甲状腺機能低下症という病気を疑ってみる必要があります」と、内分泌・糖尿病内科の医師である寺内康夫さんは言います。
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が不足してしまう病気のこと。ほかに、このホルモンが過剰分泌して起こる甲状腺機能亢進症という病気もあります。どちらも、女性に多くみられる病気なので、知っておくと病気の発見に役立ちます。
甲状腺は、のどぼとけの下にある臓器です。ここで作られる甲状腺ホルモンは、いわば〝体を元気にするホルモン〟で、臓器を働かせたり、新陳代謝を活発にするなどの働きがあります。
そのため、「甲状腺ホルモンが不足すると、疲労感や皮膚の乾燥、むくみ、冷えなどの症状がみられます。声のかすれも、特徴的な症状ですね。また、働くべき臓器が働かなくなるため、重症例では心臓の機能が低下し、心不全を起こすことがあります」と寺内さん。