からだ

Vol.57 ずっと腰痛なのですが、異常なしと言われます。【40歳からのからだ塾WEB版】

ある日突然起こるぎっくり腰、じっとしていても痛い腰痛、長引く慢性腰痛など、年齢や性別を問わず多くの人が苦しんでいる「腰痛」。国民生活基礎調査によると、女性では、腰痛は肩こりに次いで2番目に多い訴えです。なのに、「治らない」という声がとても多いですよね。
今回は、病気や原因が見つかりにくい腰痛の対処法を取材しました。放置してはいけない腰痛の見分け方も紹介します。
  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

病的でない腰痛にも改善策はある
医学的に有効とされているのは「運動」

まず、腰痛は大きく2つに分類できます。X線検査などを行っても骨などに異常が見られないものを「非特異的腰痛」と言い、腰痛全体の85%を占めるとされています。一方、診察や検査で原因が特定できる病的な腰痛は「特異的腰痛。具体的には、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、椎体圧迫骨折などです。
ほかに、泌尿器科、婦人科の病気やがんなどでも腰痛が起こることがあります。

言い換えると、腰痛の多くは、病気を特定しきれない腰痛であり、深刻でない腰痛というわけです。

多くは原因が特定できない腰痛

出展/What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 268: 760-765, 1992

じゃあ、腰痛って「なんでこんなに痛いの?」「つらいの?」と思いますよね。
聖路加国際病院リウマチ膠原病センター副医長の津田篤太郎さんによると、従来では原因が特定されなかった腰痛も、筋・筋膜性腰痛、椎間関節性腰痛、椎間板性腰痛、仙腸関節性腰痛などに分類できるようになったそう。そして、その予防や改善に有効なのが「運動」ということもわかってきています。
「え、運動で治るの?」と拍子抜けしてしまった人も、腰痛解消のため、読み進めてくださいね。

痛いからと動かないでいると
ますます痛くなる悪循環に

私たちが歩くとき、何か作業をするときなど、腰には大きな負担がかかっていますが、腰の筋肉は加齢や運動不足などによって衰えやすい部位でもあります。
「急に痛みが出たように感じるぎっくり腰の場合も、実は、腰によくない日常習慣の積み重ねが原因となっています。
座りっぱなしなど、動きの少ない生活で痩せてしまった筋肉に、急に負荷がかったたりして痛みが出るわけです。痛いからとじっとしていると、筋肉はさらに弱くなり、腰痛を繰り返すという悪循環に陥ります」と津田さん。
急性の腰痛が起きても、多くの場合、しばらくすると治ってしまうため、筋力低下から腰痛が起きているとは、自覚しにくいですよね。でもそれが、次の痛みにつながってしまっているのですね。

ではどうすれば?
「急性の腰痛でも安静にしているのは1〜2日にし、早めに動かすことが慢性化させないためのコツです」(津田さん)。

「なるべく動く、急性腰痛でも早いうちから動く!」が鉄則。ですが、中には、「痛みが出るのが怖くて動かせない」など、痛みを引きずってしまう人がいます。そんなときは、痛みに対する恐怖感を少しずつ取るような対処法を取り入れましょう。
「初期の対応としては、湿布薬やコルセットなどを活用し、痛みを軽減しながら動きましょうとアドバイスすることが多いですね。腰に手をあて、どれくらい腰を後ろに反らせるか、どこまでなら痛くないかをゆっくり試してみるのもいいですね」と津田さん。
とにかく、過剰な安静は逆効果。痛みが取れたら、できる範囲でどんどん動きましょう。

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