そんな子宮体がんは、早期で発見されることが多いのも特徴のひとつ。
「出血してすぐに検査を受ければ、約7割はステージⅠで見つかり、95%は治ります。ステージⅡでも治療成績は90%と高く、他のがんと比べて治りやすいといえます」
治療は、手術で子宮を摘出し、がんを取り除くことが基本となり、再発のリスクも他のがんと比べて低い。つまり、術後の生活をいかに快適に過ごせるかということも治療を選ぶときの大きな課題となる。そのため多くの患者は、身体への負担を減らした低侵襲治療(ていしんしゅう)を望むという。
「私のところでは開腹手術を行っています。早期に発見しやすく、治りやすいがんだからこそ、根治を目指しています。一方で、早期症例に限り、腹壁の傷が小さくてすむ腹腔鏡下手術(ふくくうきょうか)も行われています。開腹手術と腹腔鏡下手術、それぞれの良さを共有して、5年生存率100%を目指すことが急務だと考えています」
また、これまで日本では発生率が低く、見逃されがちだったのが卵巣がんだ。欧米では発生率、死亡率ともに高いが、食生活の欧米化が進む日本でも近年は軽視できない状況に。
「卵巣がんは自覚症状がないので、子宮体がんの検診のときに、卵巣がんの検査も併せて受けましょう。超音波検査で、卵巣の状態を確かめることができます。通常、卵巣は小さくて見えにくいのですが、腫れている場合ははっきりわかるので異常を早期に発見できます」
早期に発見されれば子宮体がんは、比較的治りやすいがん。出血がなくても、ぜひ検診を。
「特に、閉経後に出血があったら、検査を受けることをすすめます」