からだ

食べ物が飲み込みにくい? 歯科医師に聞く「唾液を増やす対策」。

  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・川野郁代、山下カヨコ

食材によっても唾液は増える。ならば、利用しない手はない!

唾液分泌の機能を衰えさせないためには、「ダメな食習慣を断つ」「唾液腺を刺激して出方をチェックする」といったことを、日々心がける。加えて、“唾液力”をアップする食材を取り入れるというのも、ひとつの手。たとえば、
「一番簡単に唾液を出すなら、梅干しを目の前に置くこと」と、宝田さん。単純なようだが、これは脳の高次機能に関連していることなのだという。

唾液を増やす、酸味食材とガム。

梅干しやレモンの酸味を記憶しておくと、想像するだけで唾液が出るように。

「味覚に障害を持つ患者さんが語っていたのは、『今は味を感じられなくても、過去の記憶で食べている』ということ。人間は五感で味を記憶しているもの。だから、梅干しやレモンは見るだけで口元がすぼむんです」実際に噛むという行為を強化してくれるという意味では、ガムも効果的。
「キシリトール入りのガムであれば、そしゃく力を強くできるうえ、虫歯の予防といった面でも期待ができます」

キシリトールには酸で溶け出した歯の再石灰化増強の働きが。ロッテでは、1回2粒5分、1日7回嚙むことを目安としている。

“唾液力”を最大限に活用する食材。

唾液の力を最大限に引き出す3強食材。油揚げは1枚を6つに切ってガムのサイズに。

そしゃく力強化という面でいえば、次の3食材が最強と宝田さんは推す。
「ごはん、もやし、油揚げ。これらは、顎が疲れることもなく長い間噛み続けられる食材です。そして、最後にはたっぷり唾液をまぶして飲み込むことができる。ここが大事です。唾液には、老化を進める活性酸素を抑制する酵素が含まれている。口の中で食材に唾液をたっぷりからめれば、腸にいきつく前に有害物質の影響をも抑えることができるんです。そんな唾液の力をフルに活用しない手はありません」

宝田恭子(たからだ・きょうこ)●宝田歯科医院 院長。東京歯科大学卒業後、宝田歯科三代目院長に。日本アンチエイジング歯科学会監事。著書に『日めくり まいにち、美顔トレ』など。

『クロワッサン』978号より

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