距骨とは足首の奥深くにある骨のこと。読み方は“キョコツ”。爪先からかかとまでの「足」と膝下の「脚」のつなぎ目にあたる骨です。
日本で初めて、この距骨に着目したのが柔道整復師の志水剛志さん。距骨の歪みが外反母趾をはじめとするさまざまな不調を引き起こす原因と捉え、手技で歪みを調節することでトラブルが改善していくことを実証。眠りの質の改善もそのひとつだという。
「距骨調整を受けてもらった日の夜、遅くまで起きていられなかった、朝までぐっすり眠ってしまった、という方が少なくありません」
はて、足元の骨の調整なのに、なぜ快眠につながるのか?
「距骨を調整すると、口が開きやすくなったり、肩こりや頭痛が解消することもあります。それは距骨が骨盤と影響し合っているからです」
二足歩行をしている限り、距骨の歪みは必ず起こる、と志水さん。理由は足の骨の中で唯一、筋肉がくっついていない骨だから。筋肉の支持がないため、朝起きて立った瞬間から少なからず歪みが生じる。
「距骨が前方にズレる場合もあれば、逆に後方にズレる場合もあります。私は前者をフロントタイプ、後者をバックタイプと呼んでいます。どんな人でもフロントとバック、どちらかのタイプに分けられます」
距骨が前方にズレると、身体の後ろ側の緊張が強くなり、骨盤が後ろに引っ張られて後傾する。逆に距骨が後方にズレると、身体の前面の緊張が強くなり、骨盤が前に引っ張られて前傾する。距骨と骨盤が互いに影響し合っているというのは、こういうわけ。