Vol.14 頭が痛くて寝込むことが多いんです。【40歳からのからだ塾WEB版】
- 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子
頭痛はとても身近な症状なだけに、「ひたすら我慢して痛みが消えるのを待っている」「市販薬で何とか乗り切っている」という人も少なくないと思います。でも、頭痛は専門医の治療を受けることで、かなりラクになるケースがあります。今回は、40代ぐらいの女性に多くみられるという片頭痛の症状や対処法について、専門医のアドバイスを紹介します。
片頭痛の特徴的な症状とは?
- ● 頭の片側や両側に強い痛みが発作的に起こる
- ● ズキンズキンと強い痛みで動くと痛みが増す
- ● 光や音を避けたくなり、暗い部屋で寝込みたくなる
- ● 吐き気がしたり、吐くことがある
- ● 目の前がチカチカする前兆がある
- ● 風邪を引くと頭も痛くなる(体調不良のときに頭痛が出やすい)
こんな症状がある人は、「片頭痛」の可能性が高いです。
クロワッサン947号でも紹介しましたが、頭痛専門医の五十嵐久佳さんによると、日本人女性の片頭痛の有病率は30代で20%、40代で17.9%、50代では10.9 %というデータがあり、30〜40代は、片頭痛で一番困っている世代といえます。
なぜ、片頭痛は女性に多いのでしょう。
片頭痛を起こす要因の1つに、女性ホルモンの変動があります。エストロゲンの分泌が低下する時期に片頭痛発作が起こりやすいと考えられています。
月経周期でみると、月経開始2日前から月経3日目までと排卵日周辺に片頭痛発作を起こす人が多いそうです。
また、エストロゲンの血中濃度が高い状態である妊娠中に症状が軽減したり、逆に出産後にひどくなったり、更年期に頭痛のサイクルが変わってくることも。そして「女性ホルモンの増減がなくなる閉経後は、片頭痛が楽になったと話す患者さんもいます」(五十嵐さん)。
片頭痛はどうして起こる?
まだハッキリとはわかっていませんが……。
脳のどこかに片頭痛を起こす発生器のようなものがあり、その発生器がストレスなどの片頭痛誘発因子によって作動→発生器からの刺激が三叉神経(脳神経の一つ)に伝わり神経伝達物質を放出→脳の太い血管が拡張し炎症が起こる→炎症による刺激が三叉神経を刺激→脳に興奮となって伝わり、頭痛や嘔吐などの反応を起こす。こうしたメカニズムが、近年有力視されています。
片頭痛のきっかけになりやすいこと
人によってさまざまな誘発因子があります。
女性ホルモンの変動のほかにも、寝不足・寝過ぎ、ストレス、低気圧、飲酒などが頭痛の引き金になったり、週末や旅行先などで気が緩んだときに片頭痛発作が起こる人もいます。血管が拡張して片頭痛が起こると考えられるため、アルコールは最も頭痛を誘発しやすい食品とされています。飲み過ぎは要注意です。
さらに「片頭痛の人は、風邪、急性胃腸炎など、ほかの病気になったときにも、頭がガンガン痛くなることが多いです」(五十嵐さん)。体調不良が頭痛を誘発してしまうこともあるのですね。
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