からだ

ダイエットを後押しする5つのストレッチ。

食事に加えて適度な運動を行うことは健康的に痩せる基本。手軽にできて効果的なストレッチを紹介します。
  • 撮影・岩本慶三 スタイリング・高島聖子 ヘア&メイク・天野誠吾 モデル・森田麻恵 文・石飛カノ

食事を見直すなら運動も併用したい。

「動ける体を維持するには、ストレッチで日常生活に必要な体の機能をアップさせる必要があります」

と、ストレッチ指導の専門家、山本利春さんは言う。

「とくに、ものを持ち上げる動作の要となる肩甲骨周辺、パソコン作業やスマホの使用で縮みがちな胸、体重を支える太ももや姿勢を維持する脊柱まわりなどは日常生活動作を支える部位。上半身、下半身、体幹の筋肉をまんべんなくほぐすことが重要です」

ストレッチに期待できる最大の効果のひとつは柔軟性の維持、それによる血行の改善だ。

「筋肉が固くなって使いにくくなると、動くのが億劫になります。そうなると血液循環が悪くなり、ますます筋肉は固くなり、疲労が溜まるという悪循環に。私たちの研究では、ストレッチをするだけでも筋肉の萎縮をある程度抑えられるという結果も出ています」

筋トレとまではいかずとも、毎日ストレッチをすることで筋肉の衰えを防ぎ、動ける体づくりに役立てることは充分可能。ひいてはそれが健康や老化防止の後押しになる。

やり方のポイントは息を止めないこと。3秒間息を吸って3秒間息を吐く。これを1呼吸としてストレッチのポーズを5呼吸分キープ。気持ちいいと感じる範囲で伸ばすことが基本。

【上半身】疲れが溜まった肩甲骨まわりと胸。こまめにほぐして凝りを解消。

ものを持ち上げたり衣服の脱ぎ着をするときに中心的に働く肩甲骨周辺の筋肉。デスク作業やスマホで縮みがちな胸の筋肉。

「それだけに張りやすかったり疲労が溜まりやすい部位でもあります。ストレッチでほぐすことで動作がスムーズになり、姿勢の改善に繋がります。日頃の肩こりや猫背の解消にも有効です」

手のひらが 手前に来るよう に両手を組む。

1.両足を肩幅の広さに開いて立つ。手のひらを内側にして両手を組み、肩の高さでまっすぐ前に伸ばす。

前に伸ばした 腕をさらに前方へ 押し出す。

2.背中を丸めながら伸ばした腕をぐーっと前方に押し出す。胸の前で大きなボールを抱えるようなイメージ。背中を丸めて肩甲骨を開くことがポイント。

体より後ろの 壁に手をついて 肘を伸ばす。

1.壁からやや離れた位置に横向きになって立つ。両足は腰幅に開く。体より後方で壁に手のひらをつけて肘を伸ばして腕を固定。

両足を固定して腰から上体をツイストする。

2.そのまま、腰から上を壁と反対側にひねる。胸の筋肉の伸びを感じながら5呼吸キープ。反対側も同様に。

【下半身】自分の体重を支える太もも前の筋肉。毎日のケアで日常動作をアクティブに。

太ももの前の筋肉は立っているときには体重を支える役割を果たす。骨盤に付着しているので姿勢にも影響する部位でもある。

「立ったり座ったりする動作や階段の上り下りにも使われる、最も労働力が高い部位。加齢によって衰えやすい傾向もあります。常にリフレッシュしていつでも使えるようにしておくことが重要」

1.床に座って、両手を体の後ろで床につける。手の指先は後方に向ける。片膝を曲げて膝から下を太ももの真横にぴったりくっつける。

足首を曲げない.

2.上半身を後ろに傾けて、この時点で気持ちよく太ももが伸びていればOK。もっといける人は両肘を床につけてストレッチ。逆側も。

【体幹】常に頑張っている背骨まわりの筋肉。伸ばしてほぐして美しい姿勢を維持。

腰から首筋にかけての脊柱に沿った筋肉は、立っているだけで収縮し続けている。座っているときも腰まわりが張りやすい。

「自分で張っているという自覚がなくても、重力に対抗して常に頑張って収縮している筋肉です。姿勢の善し悪しに関わる部位なので、仕事の合間や寝る前などにこまめにほぐしましょう」

頭に重りを乗せる気持ちで 両腕の重みを利用する。両膝よりも 低いポジションまで 両肘を押し下げる。

椅子に浅く腰かけて、両脚を大きく左右に開く。両手を頭の後ろで組み、両肘を閉じる。そのまま背中を丸めて、頭と肘を両脚の間に引き下げる。腕の重みを利用して頭を下にだらーんと垂らすイメージ。仕事や家事の合間に行うのがおすすめ。

1.床に仰向けになり、片方の膝を反対側の脚の外側にクロスさせ、膝の外側を伸ばした脚側の手で押さえる。

2.反対の手は肩の真横に伸ばす。クロスさせた膝を手で押さえながら腰をひねって床に近づけていく。視線は伸ばした手の先に。5呼吸キープしたら逆側も。

『クロワッサン』941号より

●山本利春さん 国際武道大学教授/スポーツ障害の予防やリコンディショニングの実践的な研究に携わる。ストレッチの著書多数。

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