ダイエット中、断れない食事の誘いを
どうすればいい?
「ダイエット中に断れない食事の誘いが…」「甘いものがやめられない」「忙しくて自炊できない」など、ダイエット中に浮かび上がる食の悩みを管理栄養士の貴堂明世さんが解決します!
Q1.ダイエット中に食事のおさそい、ついあれもこれも頼んで完食。翌日も多めに食べてしまいそうに・・・。
イタリアンやフレンチのコースを食べた後は、おにぎり、雑炊、蕎麦などの主食+野菜で過食した分の調整を。たとえば、こんなお米のロールキャベツを作ってみても。

「お米のロールキャベツ」ごはん130gを2等分し、ゆでた(電子レンジで加熱してもOK)キャベツでそれぞれ巻く。ロールキャベツをコンソメスープで煮て器に盛り、ディジョンマスタードを添える。
Q2.会食は仕事でも私的にも大切なコミュニケーションのため、欠席するわけにいかないのですがどうすればいい?
A.事前にごちそうを食べることが分かっているというときは、それなりの手を打つことができる。
「その日の夜に会食があるなら、朝食をシリアル、昼食を麺類、夜ごちそうというふうに組み立てましょう。朝と昼は炭水化物をメインにして、1日のタンパク質と脂質は夜に回すつもりで」
また、選べるメニューがあればその都度ベターな選択をする。スープはコンソメ系、メインは肉より魚、パンにバターをつけないという細かいことでも積み重ねればけっこうなカロリーオフに。
Q3.お腹が空いているときにスーパーに行って、つい食材を買いすぎてしまいました。こういう失敗をしないためにはどうすればいいでしょう?
カートを使って食材をどんどんカゴに入れていくことも、買いすぎの原因になる。持てる分だけの買い物をする習慣をつけよう。

ジュースは飲みきり用サイズを。
Q4.普段は節制しているのですが、お酒を飲むとスイッチが入り暴飲暴食してしまいます。
A.アルコールの適量は男性に比べて女性のほうが少ない。理由はカラダのサイズの差。しかも、40代以降はアルコールを代謝する内臓機能も落ちてくるので、暴飲は禁物。
「厳しいことをいえば適量は1日に0・5合。アルコール量にすると10gです。最大でもせいぜい1合までに留めることをおすすめします。アルコールを飲むときは主食を半分にすることも忘れずに」
Q5.食べ物を残さないことはエコです。最近、地域でゴミが有料化したので節約にもなるので、食べ物を残すことにどうしても抵抗があります。
ただし、食卓に出ているものを何がなんでも食べ切らなくてはいけないわけではない。家族の残り物を片づけているうちに、いつのまにか太ってしまうというケースもあります。
「大きなパックの肉や魚を買って食べ切れないときなどは、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。夜残した分を翌朝の朝食に再利用すれば、無駄なゴミを出すことなくカロリーコントロールができます」

一度に食べきるのではなく、冷蔵保存できるものは保存を。
Q6.忙しくて自炊する時間がなく、気がつくとお惣菜を買って帰って食べる日々です。気をつけるべきポイントありますか?
デパ地下やスーパーなどで手軽に買えるお惣菜。さすがにフライや天ぷらなどの揚げ物には手は出さないけれど、忙しい毎日、つい手間のかかる野菜の副菜を買ってしまう。でも、ここに意外な落とし穴が潜んでいます。
「一見、ヘルシーに思えるサラダなどの惣菜も彩りや長い保存時間を保つためにかなりの量の油で和えられています。サラダを買うときは生野菜の状態でノンオイルドレッシングが別売りになっているものを選びましょう」
さらに、もし事情が許すなら食洗機や圧力鍋などで手間を省けるところはどんどん省き、余った時間をちょっとした副菜づくりにかけるという手もあり。

ドレッシングはノンオイルをセレクト。
Q.7大皿料理を何人かで分けて食べると、自分の食べた量がわからなくて食べすぎます。
A.居酒屋、トラットリア、ビストロなどで大勢でわいわい食べる大皿料理。コース料理と違って1人前の量が目で見て分かりにくい。しかも話がはずむうちに料理に手を伸ばして、つい食べすぎてしまうということは珍しくない。直接フォークを大皿料理に伸ばしてひと口ずつ食べる。これは絶対にやってはいけない。大皿料理に自分専用の取り皿は欠かせない。ここを中継地点としてゆっくり時間をかけていただく。食べすぎを防ぐための工夫としては、「自分のお皿の上に料理を少しずつ盛りつけて、全部合わせてこれで1人前の適度な分量、と確認しながら食べましょう」
Q8.甘いものは精神的な安定を保つためにどうしても必要。心のお薬なのでゼロにできないのですがどうしればいいでしょう?
A.和食のスイーツの材料は主に糖質、洋菓子系のスイーツは糖質に脂質、それに乳製品など若干のタンパク質が含まれている。当然、後者の洋菓子系のほうが圧倒的に高カロリー。ひとつで300キロカロリーくらい簡単にいってしまうものも。「といっても、甘いものを絶対に食べてはいけないわけではありません。ただし、頻度や時間帯、種類、サイズなどを考えて食べることが大事です。昼間の時間帯にたまにシュークリームを食べる。遅い時間帯なら高級チョコをひと粒ゆっくり味わうというように。そのかわり、甘いものを食べた日の夕食のごはんは80g くらい減らしてカロリーを調節しましょう」。
◎貴堂明世さん 管理栄養士。雑誌や講演などで栄養・健康指導を行う。現在、東京証券業健康保険組合で専任で特定保健指導を担当。
『クロワッサン』917号(2016年11月25日号)より
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