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【ヘアスタイル変遷の歴史】産婦人科医・高尾美穂さん「20年前からこのスタイル。楽なのが気に入っています」

気持ちや暮らしが変われば髪型が変わり、髪型を変えれば気持ちも変わる。素敵なヘアスタイルの高尾美穂さんに、これまでの変遷を聞いてみた。

撮影・青木和義 文・嶌 陽子 構成・中條裕子

お手入れの簡単さと自分らしい若々しさを両立

高尾美穂(たかお・みほ)さん 産婦人科医。イーク表参道副院長、婦人科スポーツドクター、産業医として、働く女性をサポート。Stand.fmにて「高尾美穂からのリアルボイス」を配信中
高尾美穂(たかお・みほ)さん 産婦人科医。イーク表参道副院長、婦人科スポーツドクター、産業医として、働く女性をサポート。Stand.fmにて「高尾美穂からのリアルボイス」を配信中

ピカピカの笑顔によく似合う、おなじみ高尾美穂さんのモヒカンヘア。10代の頃から好きだというマニッシュなファッションとの相性もばつぐんだ。いつもきれいに整っているこのスタイル、なんと数年前から自分でカットしているのだという。

「コロナ禍で美容院に行けなくなったのを機に、美容師さんにやり方を教えてもらい、自分でバリカンとはさみを使って切るようになったんです。だんだん慣れてきて、今では手早くできます。将来は都会を離れて自給自足に近い形の暮らしをしたいと思っているんですが、そうなると美容院にもなかなか通えなくなるでしょう? 気に入っているこの髪型を維持できなくなるのは困るなと思っていたんです。その意味でも、今から自分で髪を整えられるようになったのはよかったですね」

もうひとつ驚きなのが、ワックスやスプレーなどの整髪料を一切使っていないということ。入浴後にドライヤーを左右から当てるだけで、真ん中の髪のラインがきれいに立ち上がり、「朝起きた瞬間からこのスタイルになってるんですよ」と笑う。

「シャンプーも特別なものは全く使っていないし、普段髪にかける時間は1日のうちでこのドライヤーの3分くらいだけ。すごく楽だし、浮いた時間で猫と遊んだり花を買ってきて飾ったりできる。自分の好きなことに使えるのがうれしいんです」

〈私のヘアスタイル変遷〉

20数年前、大学病院に勤務していた頃。「すぐ乾いて、手入れが楽」な七三分けのショートヘアだった
20数年前、大学病院に勤務していた頃。「すぐ乾いて、手入れが楽」な七三分けのショートヘアだった

髪の変化をきっかけに今のスタイルに

幼い頃からショートヘアで、「髪を伸ばした記憶はない」という高尾さん。ソフトボールやバスケットボールに打ち込むスポーツ少女だったこともあり、動きやすいスタイルを保ってきた。

「医師になってからもショートです。大学病院に勤務していた頃は、いつ緊急の呼び出しがかかるか分からない生活。シャワーを浴びていても呼び出されるわけです。だから、早く乾くことと、手をかけなくて済むということが大事だったんですよね」

20年ほど前に今のモヒカンヘアにする前は、七三分けのショート。現在のスタイルにしたのには、理由があった。

「右側から七三に分けるスタイルにしていたんですが、ずっと同じところで分けていたせいか、右側の生え際が左と比べて後退してきたんです。これは分け目を変えなくてはと思い、美容師さんに左側にしてもらったものの、毛の流れに逆らっていたのか、髪がうまく寝てくれなくて。あれこれ試していた中で、美容師さんがふと両サイドの髪を真ん中に寄せたんですよね。あれ、これもいいね、子どもの頃から好きだった絵本『タンタンの冒険』のタンタンみたいだしって。そこから今の髪型になったんです」

年齢に伴う髪の変化をきっかけにして、自分らしいと思えるスタイルに自然と辿り着いた高尾さん。髪型に関するコメントが出演したテレビ番組宛に数多く寄せられたこともあるなど、何かと注目されがちなモヒカンヘアだが、自身は奇をてらったつもりは全くないのだという。

「この髪型のおかげで私のことを知ってくれる人が増えたのはありがたいですが、自分としてはショートヘアの延長という感覚ですし、何といってもすぐ乾いて、お手入れが楽なのが一番のポイント。ただ、多くの人にとって、男性のモヒカンには抵抗がなくても、女性のモヒカンというのは最初理解しづらいのかもしれません。私は大学病院にいた頃からこの髪型でしたが、しっかり仕事をしてさえいれば、上司や同僚からは特に何も言われなかったです。見た目は人の印象をある程度左右するとはいえ、最終的に周りはその人が何をしているかで判断するもの。だから気にせず、自分が好きなスタイルにすればいいんだと思います」

鏡を見た時にテンションが上がるスタイルでいよう

自分でカットしているとは思えないほど整ったモヒカンヘア。「真ん中の髪は後ろ下がりになるよう意識。イメージはウルトラセブンです(笑)」。白髪染めも一切していない
自分でカットしているとは思えないほど整ったモヒカンヘア。「真ん中の髪は後ろ下がりになるよう意識。イメージはウルトラセブンです(笑)」。白髪染めも一切していない

白髪や薄毛など、新たな髪悩みが増えてきたり、ヘアスタイルを変えるのをためらってしまったり……。年を重ねていくと、髪とどうつき合えばいいかがわからなくなりがち。それに対して、高尾さんはこんなアドバイスをくれた。

「私の場合は分け目が後退してきたことがきっかけでしたが、髪の変化だけでなくてもいいので、『これが節目だな』と思ったタイミングで髪型を変えてみるのはありだと思います。子育てや介護がひと段落したとか、PTAの役員が終わったとか、何でもいいんです。その際、もし髪とのつき合い方を変えたいと思うなら、美容院を替えてみるのもひとつの手かなと。一度違う人に髪を見てもらうと、また違ったアイデアをもらえるかもしれません」

体力が衰えたりして、何かと自信が削られることも多い大人世代。ちょっとしたことでいいので自信を持てる部分を備えておくこと、そして自分がいいと思うような自分でいることはとても大事、と高尾さん。そのためには「鏡を見た時にテンションが上がるような」ヘアスタイルにすることも、ひとつの有効な手段だと話す。

「妻らしさや母らしさなど、周囲から期待される“こうあるべき”といった役割を知らずのうちに担ってきて、それがヘアスタイルにも表れているという人も少なからずいると思うんです。でも、もうそろそろそうした役割から解放されて、自分の自由にしていい時期。もし前からあこがれていたヘアスタイルがあるのなら、ぜひチャレンジ、冒険してみてほしいですね」

『クロワッサン』1142号より

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