理学療法士が太鼓判!股関節と膝の機能を高めるあれこれ
撮影・中島慶子 イラストレーション・おざわさよこ 文・河野友紀
日本人の生活も洋式になり、股関節をあまり使わないライフスタイルになっている、と岡田慎一郎さん。
「かつての日本は和式トイレや農作業など、すなわちしゃがむことが多い生活習慣でしたが、今は椅子に座る動作が多く、座ることは股関節の動きが90度あれば成立します。しかし股関節の屈曲の可動域は120〜130度は必要で、しゃがむことが少ない現代は、可動域を保持できない」
「なので、しゃがむ機会を意図的に作ることを意識したい。さらに、股関節に負担がかからない歩き方を習得することも大事。楽にしゃがめる椅子や、足袋や草履、下駄といった昔ながらのアイテムをぜひ活用してください」
裸足に伝わるあの感覚こそ負担がかからない歩き方
厚さ2mmの天然ゴム底の足袋。「極薄の底ゆえ厚底の靴のように歩くと足を痛めることに。柔らかく足裏全体で接地し、足の外側、小指、親指の順で丁寧に地面から足を離す、体によい歩き方を取り戻せます」(岡田さん)
しゃがみ時間を増やし可動域を広げよう
草取りなどの際、しゃがみ座りをしたまま動き回れるというホイール付き補助椅子。
「車輪に加え座面が回るので、しゃがんだ状態でかなり動き回れる。股関節の動きがよくなり、柔軟性、バランス、筋力も上昇します」(岡田さん)
バランスを取ることで股関節を緩める効果が
丸い積み木のような付け替え自由な脚が2つついた、少々バランスが取りづらい下駄。「バランスを取るために動きながら立つことで、無理なく体の力が抜け、全身のバランスが取れて姿勢が整う。負担が分散されるので、結果として股関節への負荷も軽減されます」(岡田さん)
土踏まずを作り、歩行時の衝撃を分散
かかとがはみ出る設計の草履。「これを履くと足指がしっかり機能し、かかとが軽く接地します。それにより土踏まずのアーチが保たれ、歩くことでの股関節への負担が軽減。足腰全体の筋力やバランスも自然に鍛えられます」(岡田さん)
『クロワッサン』1135号より
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