夜の7つの代謝アップ習慣で、疲労回復、睡眠の質もアップ。
イラストレーション・いいあい 文・小沢緑子
教えてくれた人
●瀬戸郁保さん
源保堂鍼灸院 院長
●友野なおさん
睡眠コンサルタント
●真野わかさん
セラピスト、養腸家
代謝アップを図るには、快眠のための環境作りも不可欠。睡眠の質を高める工夫を取り入れよう。
1.運動のゴールデンタイムは夕方から夜。
運動で代謝アップを図るなら、夕方から19時ごろまでがベスト。
「1日のうち体温が一番上がり身体能力が高まるのが、昨晩の就寝時間から19時間後の時間帯になるからです。就寝時間が22時なら17時、午前0時なら19時が運動のゴールデンタイムになります」(友野さん)。
運動はハードなものでなくてよい。
「帰宅時に1駅手前で降りる、少し遠回りして歩く、料理中につま先移動をするなど、ながら運動で構いません」
2.夕食は寝る3時間前までに摂る。
「腸のためにも夕食は就寝3時間前までに。食べてからすぐ寝ると就寝中も食べたものの処理をしなくてはならず、腸も疲弊。いわば深夜残業をしているのと同じです」(真野さん)。
その疲労が蓄積すれば、腸の動きは鈍って硬くなり血行不良が生じる。
「腸の疲労を放っておくと、ほかの臓器にも負担がかかります。消化や吸収といった本来の代謝活動を妨げないためにも、夜は腸を休ませましょう」
3.就寝前に前屈で自律神経を整える。
「東洋医学では睡眠は〝リセットの時間〟と考えられています。自律神経を整えていい睡眠を得られる気功があるので、就寝前に行うとよいでしょう」(瀬戸さん)。
それが手のひらにある「労宮(ろうきゅう)」と、足の裏にある「湧泉(ゆうせん)」のツボをくっつけるように近づけながら前屈する動き。
「労宮は心身の疲れをとり、湧泉は元気が漲るように湧き出てくるツボ。この2つのツボを交流させるイメージで行って」
4.お風呂はぬるめで20分。炭酸浴で血行促進も。
「冷房で冷えた体を温めて代謝を促すために、夏こそ湯船に浸かって。疲労回復効果も断然高くなります」(友野さん)。
よい睡眠のための入浴ルールは、(1)38〜40度のぬるめの湯 (2)浸かる時間は20分 (3)全身浴。
「ぬるめのお湯に長く浸かったほうが湯冷めしにくいです。血流促進効果のある重炭酸系の入浴剤の利用もおすすめ」
5.寝具選びは寝返りと青色がキーワード。
「ぐっすり眠って代謝を上げるために、寝具は重要。特にパジャマや枕、マットレスは睡眠の質を左右します」(友野さん)。
鍵は寝返りのしやすさ。「寝返り=就寝時の体をほぐして血液循環を促すなど、体に大切な役割が。寝返りが気持ちよくできるよう工夫された製品を選ぶのも手」。
また、睡眠には色も大切な要素。「青は血圧や心拍を落ち着かせる作用があり、快眠に誘う色」。寝具や寝室のインテリアに効果的に取り入れよう。
6.寝る1時間前に照明の明るさを調節する。
「照明の調節も、快眠のための絶対条件。就寝1時間前には部屋の照明をやや暗めに、暖色系の光に切り替えましょう。調光できない場合は間接照明やキャンドルを利用しても」(友野さん)。
なぜなら寝る直前まで白色蛍光灯などの強い光を浴びていると、睡眠ホルモンのメラトニンが抑制されてしまうから。
「スマホ画面から発せられるブルーライトも同様。脳が覚醒して寝つきが悪くなるので、就寝前の使用は控えて」
冷房は一晩中、 体感温度27度に。
夏の安眠の敵・暑さによる寝苦しさは、エアコンのかけ方で調整。
「タイマーを設定している人も多いと思いますが、以前より暑さが厳しい今は熱中症予防のためにも、エアコンは一晩中かけることを推奨しています」(友野さん)。
室温は28度を超えると寝苦しくなるので、27度を目安に。
「冷気は下にたまりやすいので、寝ている場所の脇に温湿度計を置いて調整を。室温を均一に保つためにサーキュレーターや扇風機を併用するのもいい方法です」
『クロワッサン』1121号より