結跏趺坐(けっかふざ)のポーズをとって(あぐらでもいいです)、両手の指を組み、天に向かって伸び上がる――実際にやってみるとわかるのですが、上体が左か右に傾く。そこで、あえて左右に揺れながら、真ん中を探して伸びる。いちばん高い真ん中を見つけるわけです。
なぜ、いちばん高くなくてはいけないのか? そう思うかもしれませんね。それは、高いところを知るため。目指す位置を知るためなのです。
子どものころ、よく伝記を読みました。キュリー夫人、シュバイツァー博士、野口英世……誰もが一足飛びに偉業を成し遂げたわけじゃない。そこに至るまでの試練、気の遠くなるような準備、それらの結晶だったことに、私は気持ちを動かされていました。
今の自分を超えて、さらに高いところを目指す。一段、一段、積み重ねて。
「じゃ、私は何をしたいのか」
そんなことを考えていました。
誰もが、ロールモデルのいない人生を送っています。ほかの誰でもない、私の人生。私が何をしたいのか。どこへ行きたいのか。そんなことを考えながら、右に左に揺れます。そして、真ん中でぴたっと止まり、ぐーっと両手のひらを突き上げるように伸び上がる。
中心が定まるんです。
悩みごとが多いときは、ぜひおすすめのポーズです。