暮らしに役立つ、知恵がある。

 

イライラ、うつうつ…更年期以降の不調は、心のゆらぎも一因。

〝何となく不調〟が起きやすい更年期以降。
女性の体の中では何が起きている? 原因と対策を内科医の常喜眞理さんに聞いた。

イラストレーション・浅妻健司 文・小沢緑子

心のゆらぎ

イライラ、うつうつ…更年期以降の不調は、心のゆらぎも一因。

不快な症状

□ 人と関わるのが面倒になった
□ ささいなことでイライラする
□ うつうつとしてしまう
□ なかなか寝付けない
□ 何をしても楽しいと感じない
□ 不安にかられたり、何かに急き立てられる感じがする

イライラ、うつうつ…更年期以降の不調は、心のゆらぎも一因。

若い頃とはまた違う環境の変化も一因。

「加齢とともに体の寛容力が失われていくことは前述しましたが、『心の寛容力』も同じ。閉経後の50代後半はちょうど家庭も仕事も人生の大きな転換期。親の介護や自身の老後への漠然とした不安、退職や子育て卒業による喪失感など、若い頃とはまた違う環境の変化が起こると気持ちが追いつかず、心身ともに疲弊することが。すると、ささいなことでもイライラしたり、不安にかられたり、うつ状態に陥ってしまうことがあります」

なかなか寝付けないなど、不眠も黄信号。

「不眠感は心理的な原因が大きいです。『何時間寝なくちゃいけない』と思うと焦燥感からますます眠れなくなることが。体を横たえるだけでも充分休息になるので、気分を切り替えてラジオや音楽でも聴きながら横になりリラックスを。時間の長短ではなく、睡眠は満足感が得られればよし、と思いましょう」

うつ症状は個人差があるが、「誰にでもうつは起こります。真面目で責任感の強い人ほどなりやすい傾向がありますが、予防するには生活習慣を見直して整える基本のほか、『ひとりで抱え込まない』『ありのままの自分を受け入れ、周囲にも伝えていく』ことも必要です」。

【要注意!】うつ病

眠れない状態のほか、「食欲が湧かず食べられない」「何をしても楽しいと感じない」ことが続き、日常生活に支障がでる場合は、心療内科などを受診。軽い抗不安薬や抗うつ薬、行動療法など治療法はさまざまにある。

イライラ、うつうつ…更年期以降の不調は、心のゆらぎも一因。

40代、50代は心も体も寛容性がなくなっている。気になる症状が2週間以上続いたら、迷わず受診を。

イライラ、うつうつ…更年期以降の不調は、心のゆらぎも一因。

病気というほどではないけれど、日常的に小さな不快、不調な症状が目に見えて増えていく更年期以降。

「20代、30代と年齢が上がるにつれ、体の回復を促す成長ホルモンの分泌が低下していきます。さらに、更年期になると追い打ちをかけるように、女性ホルモンの分泌が激減。次第にムリが利かない体になってきますし、不定愁訴と呼ばれるさまざまな不快な症状が起こりやすくなります」と、女性の体の健康を守る“家庭医”として提言も行う、内科医の常喜眞理さん。

閉経を迎える50代になると、今度は“加齢”の影響も大きくなる。

「加齢で体や脳が老化し始めると、外部からくる変化や刺激に素早く対応する体の『寛容力』も次第に失われていきます。若い頃は放っておいてもおさまった症状も体が耐えられなくなり、症状が頻繁に起こったり長引いたりするようになるのです」

ただし、加齢による体の変化を否定的にとらえる必要はない。

「遅かれ早かれ、誰にでも加齢による老化は訪れます。その変化を慌てず恐れず受け止めて、体の次のモードに向けて備えていけばいいのですから」

対策は、どんな不調も生活習慣を整えるためにバランスのいい食事、適度な運動、充分な睡眠をとることが基本。

「ただ、小さな不調といっても2週間以上症状が続く場合は、クリニックを一度受診を。症状によっては検査をしたり、長引かせないように薬などを使って対処していくことができます」

  • 常喜眞理

    常喜眞理 さん (じょうき・まり)

    「常喜医院」院長

    内科、皮膚科の診療のほか、慈恵医大新橋健診センター診療医長、産業医として活躍。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』等。

『クロワッサン』1104号より

  1. HOME
  2. からだ
  3. イライラ、うつうつ…更年期以降の不調は、心のゆらぎも一因。

人気ランキング

  • 最 新
  • 週 間
  • 月 間

注目の記事

編集部のイチオシ!

オススメの連載