更年期に入って特徴的に起こるのは、まず月経の変化。27日周期などで規則的に来ていた人も、次第に周期が短くなったり、とびとびになったりする。出血量も「先月は茶色い出血が少量だったのに、今月はドカッと大出血」「出血がダラダラと長引く」と、予測がつかなくなってしまう。
「この時期のバラバラな月経や大出血は、卵胞刺激ホルモン(FSH)が引き起こしていることが多いのです」
というのは、東京歯科大学市川総合病院産婦人科の小川真里子さん。
閉経とは、卵巣の中に卵胞がなくなり、排卵が終わるとき。エストロゲン(E2)は排卵に伴って分泌される女性ホルモンなので、閉経に近づくと減少する。FSHは、それを分泌させようと活発に働き、卵胞を刺激する働きをする。このため、閉経前にFSHが上昇し、排卵を起こして思わぬ大出血を起こさせたり、自律神経に影響を与えて更年期症状が強く出たりするのだ。
「女性ホルモン検査では、E2とFSHの2つを測定します。閉経前のエストロゲン値は日内変動もありますが、FSHはずっと上昇し、更年期症状かどうかのチェックに役立ちます」